金融庁へ要請をおこなう全国金融共闘
11月16日、全国金融共闘は秋の統一行動として金融庁への要請をおこないました。要請では①金融の自由化・規制緩和政策の結果、利益最優先の経営が広がり、顧客と従業員が犠牲にされている、②6月に「検査・監督方針」が公表されているが、検査・監督の在り方をどのように見直していくのか、など事前に提出した5点の要請について金融庁側から説明を受け、その後、要請団から問題点を問いただすかたちで進められました。
金融庁は検査・監督の見直しについて、金融庁発足から数年は不良債権問題への対応が最優先課題となり、金融検査マニュアルによるチェックリスト方式で網羅的な検査をおこなってきました。しかし時間が経過し、そうした重箱の隅を突くような検査では重点課題に注力できない、などの指摘が出されました。そこで、新しい方針では金融行政の目標を整理して、モニタリングをおこない、検査をおこなっていきたいと考えている、など5項目について回答しました。(金融庁への要請書)
金融庁からの回答を受けて要請団は、「経営者は『お客様第一』と言っているが、現場の仕事はお客様第一となっていない。労働者もお客様のためになっていないと思いながら仕事をしているのが実態だ。収益をのばすことばかりに目が行ってしまうからスルガ銀行のような問題が起きているのではないか」「日銀が低金利政策をとり金融機関の収益が悪化し、地銀の半数近くが本業で赤字なる状況がある。その中で問題が起きている」と指摘。スルガ銀行の問題について、不正発覚以前には金融庁が「スルガ銀行は新しいビジネスモデルを作って素晴らしい収益を上げている」と称賛していた、と批判されています。要請の中で金融庁は「(金融庁の)森前長官は講演のなかで『規模が小さい中でも高利益が上がっているのがスルガ銀行だ』と言ったと聞いている」と説明し、スルガ銀行を評価する言葉のあったことを否定しませんでした。これに対して要請団はこうした森前長官の言葉に「金融庁として金融機関の存在価値をどこに求めているのか」が端的に表れていると批判しました。
金融共闘は、要請書の5項目目で旧武生信金の公益通報者見せしめ解雇事件について金融庁の監督責任を明確にし、労働組合の団体交渉申し入れに応じない福井信金への指導を要求していました。要請の中でさらに福井信金に「問題解決のために必ず交渉の席につけ」という強い姿勢で伝えてほしいと訴えました。
11月2日~3日、全農協労連は「秋の産別中央行動」に取り組み農林中金、全中、農水省へ要請行動をおこないました。農林中金では信用事業を譲渡した場合の「代理店」の手数料について、全中では合併や組織再編、雇用、農政運動などについて、農水省では種子法に代わる法律の制定や戸別所得補償制度の復活など訴えました。詳しくは全農協労連ホームページを参照。
http://www.nokyororen.ne.jp/topic/topic-top.html#p-269
11月17日、全損保は東京で「賃金討論集会」を開催しました。集会では労働運動総合研究所理事の金田豊氏から講演を受け、西田本部賃対部長(共栄支部)が「2019年春闘構築に向けて、要求討議のすすめ方」を提起し、分散会での討論がおこなわれました。集会には、全損保各組織に、友好労組である大同火災労組の代表者も含め24名の組合役員が参加しました。詳しくは全損保ホームページ参照。
http://www.niu.or.jp/news/news.html
金融労連は11月17日~18日、伊東市で「第13回春闘討論集会」を開催し、暮らしと経済研究室主宰・山家悠紀夫氏からの講演、執行部から春闘方針案の素案の提起をうけ、分散会討論で来春闘要求づくりにむけて職場状況を出し合いました。(詳しくは「金融労連」No292参照)