金融共闘

トップページ » ニュース一覧 »新型コロナウイルス感染拡大 労働組合の取り組み

○新型コロナウイルス感染拡大 労働組合の取り組み

 新型コロナウイルスの感染が世界中に広がり、感染確認者数はグローバルの総計で206万人超、死者数が13万6千人を超え(4月16日午前11時)、日本でも感染確認者数の増加が続き、4月7日には安倍首相が「緊急事態」を宣言しました。新型コロナウイルスの感染拡大、緊急事態宣言の発令に対して労働組合や業者団体、民主団体が様々な取り組みを進めていますのでご紹介します。


雇用も暮らしも守ろう
連合、全労連が「緊急提言」、「アピール」

 日本労働組合総連合(連合)は、3月27日に「新型コロナウイルス感染拡大に対する総合対策について(緊急提言)」を公表し、4月7日には「緊急事態宣言の発出に対する談話」(事務局長談話)」を公表。全国労働組合総連合(全労連)は3月30日に「アピール 新型コロナウイルスの影響から暮らしと経済を救うために 事業も雇用も採用も守ろう」を公表し、4月7日には事務局長名で「談話 コロナウイルス感染症での緊急事態宣言の発出について」を公表しています。またそれぞれの傘下単産も取り組みを行っています。


公立病院の統廃合は撤回を【日本医労連】

 新型コロナウイルスの感染が急激に拡大し、欧米など先進国での「医療崩壊」の深刻な状況が報じられ、その背景に、この間進められてきた緊縮財政等による公的医療の脆弱化があることが指摘されています。日本では、厚生労働省が昨年9月に統合再編の必要があるとする施設として424の公立公的病院のリストを公表。公的医療の一層の再編統合を進めようとしています。これに対して、全労連、日本医労連、中央社保協、自治労連、国公労連、全医労は「424共同行動」を結成して再編統合の阻止を目指して、各地で取り組みを展開しています。
 「424共同行動」では再編統合のリストに上がっている医療機関が、新型コロナウイルス感染拡大の中で今重要な役割を果たしているとして、統廃合の見直しを求めています。また、日本医労連は3月5日に厚労省、総務省他と交渉を行い、新型ウイルス感染症の対応に関して、検査体制確保、協力医療機関への財政支援、スタッフの休業補償の追加要求を提出し現場の実態を訴えています。機関紙「医療労働者」4月9日号では、北海道医労連、愛知県医労連、京都医労連の緊急調査、要請行動で明らかになった「マスクが足りない。マスクの交換は3日ごと、患者の安全が守れない」などの現場の実態を報じています。



江藤農水大臣に要請【全農協労連】

 全農協労連は機関紙3月1日号で「新型ウイルス問題 雇用と暮らしを守る要求を」として「新型コロナウイルス感染症予防にかかわる要求(例)」を掲載。①子供の学校休校への対応/②マスクの着用、防疫対策について/③休業にともなう賃金の扱いについて/④感染者、感染の疑いのあるものについて の4項目を例示し、安心して働き続けられる職場の実現を提起しています。また3月6日には、全農協連が共闘する全国食健連、農民連、農民連ふるさとネットの三者とともに江藤農水大臣に対し、学校給食にかかわる生産者に保障を求める要請を行っています。これとともに、3月11には新潟県農協労連が農民運動新潟県連合会と共同で新潟県に対して、3月18には宮城県農協労組が宮城県食健連など6団体で宮城県に要請を行っています。なお全農協労連はホームページに前述の日本医労連など「424共同行動」の要請署名をアップして取り組みを訴えています。
公立・公的424病院への「再検証」要請を撤回し、地域医療の拡充を求める署名



有給休暇ではなく特別休暇で対応を【金融労連】

 金融労連は機関紙「金融労連」3月25日号で「20春闘 新型ウイルスの影響拡大 休暇など対応に注意を」を掲載。緊急融資で休日でも相談窓口が開かれる場合、休日や労働時間の延長が36協定に基づいて適正なのか、労働条件を変更の労働協約を結ぶ際はあくまでも一時的な措置として合意書をとることが大切と注意を促しています。休暇については、有給休暇ではなく特別休暇で対応すべきとし、「小学生の子を持つ職員(契約社員・臨時職員含む)の場合は特別休暇扱いとする」など特別休暇扱いとする金融機関も出てきているとしています。金融ユニオンは機関紙3月10日号で、愛知県の支店で感染者が確認された三菱UFJ銀行をはじめ、静岡銀行など4つの職場の状況を紹介。コロナウイルスから自分の身を守り、職場に広げないように留意し、経営側には拡散予防対策を要望する。年休取得を強要させず、休まざるを得ない労働者には特別有給休暇など賃金補償を申し入れていくとしています。

 全国金融共闘は毎年取り組んでいる全国金融共闘統一行動を今年は4月17日に予定していましたが、新型コロナウイルス感染防止のため今年の統一行動を中止しています。

 ロイター通信は、4月16日付の電子版に「焦点:コロナ患者急増、病床削減計画見直しの可能性 政策の矛盾露わに」という記事をアップ。日本医労連の森田書記長へのインタビューをも紹介し、厚生労働省医政局がロイターに削減計画の見直しを示唆したことを報じています。
焦点:コロナ患者急増、病床削減計画見直しの可能性 政策の矛盾露わに

このページのトップへ