今年のメーデーは、新型コロナウイルス感染防止の緊急事態宣言の下で全国各地の集会は中止・縮小となり、インターネットを活用した異例のメーデーとなりました。連合などの第91回中央メーデー大会は4月29日、式典や関連イベントを中止し、事前に撮影した動画をインターネット配信する形で実施。全労協などでつくる日比谷メーデー実行委員会は5月1日、東京の全水道会館で式典を開きインターネットで中継しました。
全労連などでつくる実行委員会の中央メーデーは5月1日、代々木公園での開催を中止し、全労連会館を中央ステージとして主催者あいさつ、各団体から寄せられた連帯のメッセージの動画をインターネット配信する形で行われました(動画を見る⇒「メーデー見える化」チャンネル)。中央ステージでは議長団に国民春闘共闘委員会代表幹事の砂山太一さん(全農協労連委員長)、東京春闘共闘会議代表の萩原淳さん(東京地評議長)を選出。砂山代表幹事は「新型コロナウイルス感染拡大の下で、雇用と営業を守るメーデーとして政府に『自粛』と『補償』を一体のものとして進めることを要求していきましょう」と第91回中央メーデー式典の開会を宣言しました。
実行委員会を代表して国民春闘共闘委員会代表幹事の小田川義和さん(全労連議長)が「コロナ危機であらわになった社会のゆがみを直視し、労働者の決起を呼びかけます」とあいさつ。小田川議長は「コロナウイルスに感染しても医療にたどり着けない人がいる。これは医療・公衆衛生など公務公共サービスの切り捨て、社会保障の改悪によるもの」と述べ「危機の下で、仕事と住まい、食べ物を瞬時に奪われる労働者が多く出ているのは、非正規雇用労働者への置き換えや、自営型労働を強制して雇用を壊し、企業のもうけを最大化してきた市場万能の経済経営におおもとの原因がある」とし「暮らしと雇用を守る制度への転換、拡充が必要です。危機の下で富を独占している富裕層と、内部留保をため込んだ大企業に社会的責任を果たせと強く迫りましょう」と訴えました。
全労協・渡辺議長から連帯メッセージ
主催者あいさつの後、日本共産党の志位和夫委員長、日比谷メーデー呼びかけ人の渡辺洋さん(全労協議長)、東京土建一般労働組合の中村隆幸委員長、新宿区労連の伊藤之知議長、出版労連出版ネッツの浜田秀一執行委員長、東京医労連の清水浩介書記次長から寄せられた連帯のビデオメッセージが紹介されました。
全労協などの日比谷メーデー実行委員会と全労連などによる代々木メーデー実行委員会は、統一メーデー実現を目指して例年相互にメッセージを交換しています。全労協の渡辺洋議長は今年のビデオメッセージで「コロナウイルス感染問題は私たちの命と健康、生活を脅かすだけではなく民主主義をも脅かす災害であることを肝に銘じ共闘を強めていこうではありませんか」と連帯と共闘の強化を訴えました。
海外労組からも連帯のメッセージ
メーデー宣言が読み上げられたのち、アメリカ電気機械無線労働組合のカール・ローゼン議長、フランス労働総同盟のフイリップ・マルチネス書記長、韓国民主労総キム・ミョンファン委員長、イタリア労働総同盟のマウリツィオ・ランディーニ書記長ら海外労組代表がビデオメッセージで、連帯して新型ウイルスパンデミックを克服し、新たな労働運動を構築することを呼びかけました。
今年のメーデーは国際的にも、国際労働組合総連合(ITUC)と、グローバル産別労働組合及びレイバースタート(労働運動国際配信ウェブサイト)のジョイントプロジェクトとしてインターネットによる「バーチャルメーデー」として取り組まれました。