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○新型コロナウイルス感染拡大防止の下で
 職場と労組の取り組み

数日間、閉鎖となった支店も

 5月25日、政府は首都圏の1都3県と北海道への緊急事態宣言を解除し、4月7日からの緊急事態宣言が全面解除となりました。しかし、新型コロナウイルス感染拡大の危険性は依然続いています。こうした政府、自治体が感染防止の取り組みを進める中で金融の職場はどうなっているのでしょうか。

 金融ユニオンの機関紙「金融ユニオン」5月10日号は「コロナ禍で今金融の職場は」として以下のように報じています。

 「九州の某信金」では、4月の定例人事異動を7月に延期。「顧客対応を優先するために」と新聞でも報道されている。感染者の出た金融機関の支店では、数日間店舗が閉鎖になっている。取引先に感染者の出た金融機関では、当該取引先担当者に「自宅待機(特別休暇)命令」が1日だけ出され、翌日からは通常出勤となっている。外訪活動に際しては、顧客に訪問する旨をあらかじめ連絡し、了解が得られた場合に限り訪問OKの指示が出ている。別の金融機関では、本部からの指示で「翌週から外訪自粛、1店舗1日2名以上自宅待機(特別休暇)とする」との指示が出され、事実上週3日勤務の職員が出ている。他方で、本部から「融資相談」には積極的に対応するように通達が出され、現時点でかなりの融資申し込みがあり渉外係を中心に残業で対応しているという実態も報告されている。
 緊急事態宣言解除後の地域金融機関の対応について、業界紙「ニッキン」は「地域銀行・信金 宣言解除を受け通常営業へ」として、「支店で実施していた少人数営業と昼休業を通常に戻したが、本部の交代勤務は5月末まで継続」(山形銀行)、「顧客訪問を『顧客の了解を大前提』に再開」(中京銀行)、「昼休業解除は46ヵ店中33ヵ店にとどめ、交代勤務とテレワークは残す(福井銀行)など様々な対応を報じています(5月22日付)。

「新型コロナウイルスによる職場実態の改善」を要請【金融労連】

 金融労連本部は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で労働者への負担が大きくなっていることに対し、統一要求書「新型コロナウイルスによる職場実態の改善について」を作成。それぞれの金融機関に要請する取り組みを進めています。要求項目は以下の通りです。
1.新型コロナウイルスへの対応で就業規則を変更する場合は、労使協議のうえ一時的な措置とすること。2.パートタイマーや派遣労働者を、新型コロナウイルスを理由として解雇、雇い止めや契約解除しないこと。また、実労働時間が契約時間を下回る場合の賃金補填を検討すること。3.新型コロナウイルスにより職員の生活に支障をきたさないよう、組合の春闘要求に対し真摯に回答すること。4.交代制勤務などを導入した場合、労働者の負担増になる投信・保険等の販売を自粛し、また顧客に来店を促すような営業をしないこと。5.新型コロナウイルスの影響により資金面での支援が必要な中小企業・中小零細業者・個人事業主、および個人住宅ローン先については、すべての申し出に誠実な対応をすること。6.職員の感染対策および健康面には、あらゆる手段を講じて、十分に配慮すること。

「コロナ対策でも労組の役割発揮を」【全農協労連】

 全農協労連は機関紙「全農協労連」5月1日号で「コロナ対策でも労組の役割発揮を」として、職場で感染者が出た際の対応にとどまらず、学校休校への対応や感染拡大防止に対する特別休暇の実現の取り組みを報告。農協の直売所などの休業にともない、とりわけパートやアルバイト、臨時の有期雇用労働者に対して労基法26条の休業補償(平均賃金の6割)にとどまらず、雇用形態を問わず100%の賃金補償実現を呼びかけています。また、緊急事態宣言の下で「雇用調整助成金」の特例措置が拡大していることを説明し、不十分な点はあるが経営者に活用させることを訴えています。記事では要求の項目として、○雇止めをしないこと、○休業の際の別施設への当該期間の異動、○使用者都合である労働者への休業指示の場合は、通常賃金の100%を支払うこと、○国の雇用調整助成金を活用し、拡充させること、などをあげています。
 また、全農協労連も参加する「国民の食糧と健康を守る運動全国連絡会」(全国食健連)は、4月8日、政府に「新型コロナウイルス感染拡大による経済不況から農業経営と地域経済を守る緊急要請」を行いました。4月9日には、北海道農協労連が農民組織である北海道農民連とともに、北海道に対して農業者や関連業者への損失補填などを求める緊急要請を行っています。

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