全労連(全国労働組合総連合)は7月29~30日、第30回定期大会をオンライン会議方式で開催しました。開会のあいさつで小田川義和議長は、コロナ禍で「全労連が結成以来たたかい続けてきた新自由主義の破綻が明らかになり、新しい社会への模索が世界中で始まっている」と述べ、新自由主義を標榜してきたイギリスのジョンソン首相が自ら新型コロナウイルスに感染し、その見直しにかかわる発言をしたことを紹介。「今だけ、カネだけ、自分だけ」の経済優先の社会構造を個人の尊厳と連帯を基礎に置く社会に作り変え、労働者・市民の連帯を基礎にした新しい運動を作り出す展望を提起しました。
大会では「全国一律最低賃金アクションプラン2024」と、「150万全労連」をめざす組織強化拡大4カ年計画を確認し、新役員には、小畑雅子新議長(全教)、黒澤幸一新事務局長(日本医労連)を選出。ナショナルセンターの女性トップは国内で史上初です。
討論では、医療提供体制の削減や、貧弱な介護、保健所など公務・公共サービスを切り捨ててきた新自由主義的改革の見直しと社会保障拡充の取り組みを求める意見が多数出され、新型コロナ禍の下で休業補償が支払われないという労働者が、同僚とともに労働組合を結成した取り組みなどが報告され、最低賃金引き上げの課題では「中小企業政策を国の政策の中心に据えるよう求める運動を進めよう」などの意見も出されました。
連合(日本労働組合総連合会)は5月27日から6月3日にかけて、第82回中央委員会を書面審議で開催しました。中央委員会の構成員には事前に議案を送付し、意見と各議案に対する賛否を集約し、6月3日に全議案が承認されたことを確認しました。中央委員会の開催に際して、神津会長から「会長メッセージ」が発信されました。
メッセージでは、新型コロナウイルスの感染拡大が明らかにした課題として、わが国のセーフティネットの脆弱さが実感されたとし、労働組合のない中小企業で働く人や、正社員以外の雇用形態で働く労働者は会社と交渉できない立場であり、集団的労使関係、労働組合の重要性を痛感すると述べ、すべての働く仲間をまもり、つなぐ、集団的労使関係の構築を追求していかなければならないと訴えました。
新型コロナウイルス感染拡大を防ぐためための制約の下でも、各労組は様々な取り組みを進めています。全農協労連の機関誌「全農協労連」8月1日号は、そうした制約の下で各地の地方本部の取り組みを紹介しています。「豪雨の影響各地で 心ひとつに頑張る」-九州、「活動制限の中でも各単組が闘争へ」-中国、「単組の実態交流し 地本の活動を再開」-近畿、「運動を停滞させない活動の在り方を検討」—甲信越、「集まる場所をつくれぬ中 できる取り組みから」—東京、「団結して臨んだ春闘 各職場で貴重な成果」―関東。以上の各地方本部の記事から感染防止の制約の下で様々な工夫を凝らして活動していることが伝わってきます。(「全農協労連」8月1日号から)
大阪でメガバンクに派遣されている派遣労働者が金融ユニオンに加入し要求を前進させています。
メガバンクで派遣労働者としてクレジットカード販売に従事してきたMさんは、従来9時~15時勤務で時間給1,400円+カード獲得1件につきインセンティブ500円の給与でした。銀行は商店などのキャッシュレス決済システムに対応する機器普及業務を追加して勤務時間、給与等の変更を提案。派遣契約期間は1ヵ月とされました。Mさんは金融ユニオンに加入して銀行と交渉した結果、9月以降3ヵ月間の派遣期間を実現しました。時間給はインセンティブなしの1,800円となり、就業時間も8時40分~17時10分と大幅に増え収入増を実現。派遣労働者に対する新型コロナウイルス感染防止対策の差別是正も前進しました。(「金融労連」8月10日号から)