金融共闘

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○21春闘 コロナ禍に屈せず奮闘する金融労組

 新型コロナウイルス感染拡大が収まらず、再び感染が拡大する懸念が広がっています。全国金融共闘は例年の4月統一行動を今年は中止しましたが、金融労組は感染拡大防止に配慮しつつ様々に工夫を凝らして要求実現を目指しています。金融労組の取り組みの様子を報告していただきました。


高まる期待を力に要求実現を

全日本損害保険労働組合 中央執行委員長 浦上 義人

 損保産業は、大規模自然災害の多発で保険収支が悪化し、コロナ禍による経済停滞が業績に負の影響を与えることも懸念されています。こうしたなか、損保経営の危機感は依然として強く、「収益力の強化」をめざし、「合理化・効率化」、労働生産性を追求する動きを強めています。また、在宅勤務では、環境整備が追いつかず個々人に様々な負荷をかけています。こうした各社の政策が損保の職場に様々なかたちで「歪み」をもたらしています。一方で、職場では賃金水準の引き上げを求める要求は強まり、春闘への期待は高まっています。
 全損保は、職場の期待を力に、全損保統一闘争に結集し、知恵と工夫で主張と団結を強め、要求実現をめざして全力で春闘をたたかっています。



将来展望の持てる職場環境・処遇の改善求める

全国金融労働組合連合会 中央執行委員長 中島 康隆

 金融労連では、2021年春闘の前段において、期末臨給では、東京東信金が0.1ヵ月(パート一律1万円)、飯能信金が0.1ヵ月の回答を引き出しています。興産信金ではコロナ特別慰労金として一律7万円(契約社員、嘱託・パート含む、派遣社員は商品券1万円分)、また東京東信金ではコロナ特別手当3万円(契約・パート1万円)を引き出しています。
 春闘では、3月1日を統一要求日、3月10日を回答指定日として、ここまでたたかってきていますが、金融業界は、例年5月以降に回答されることが慣行となっており、ほとんどの金融機関で回答が示されていません。回答が示されているところでも、ほとんどがベアゼロです。
三菱UFJ銀行では契約社員の子ども手当を7月開始に向けて検討されており、三井住友信託銀行では4月から定年が65歳に延長されています。
 金融労連では、これからが春闘本番となりますが、賃上げはもちろん、労働時間や諸手当などの労働条件の改善含め、私たちの切実な要求の実現をめざします。特に、若年層の離職が増えている中、将来展望の持てる職場環境・処遇の改善が求められ、金融労連は引き続き、回答促進・要求前進の取り組みを進めます。



高まる賃上げ、夏期一時金への期待

全国証券労働組合協議会 議長 金子 正史

 主要証券の2020年4月~12月期決算は、19社中17社で最終損益が改善しました。企業が新型コロナウイルス感染拡大に伴う影響に対抗し、資金調達やM&Aを活発化していることや、法人・個人の投資意欲が高まっていることが追い風となり、2~3倍の大幅増益となる証券会社が相次ぐなど、このところの好況到来で営業の現場では目の回るような忙しさとなっています。加えて、ベースアップ・ゼロと一時金低迷が続いてきたことから、今春闘での賃上げと夏期一時金で思い切って社員の努力に報いてほしいとの期待が高まっています。
 また、長時間労働解消や証券の信用回復に向けてのノルマ営業の是正など懸案解決への期待が高まっています。



地域農業を守り 働き続けられる賃金と職場を

全国農業協同組合労働組合連合会 中央執行委員長 砂山 太一

 米の外食需要がコロナ禍で消失したため、米価は大暴落し、生産者は苦境に立たされています。そしてさらに、政府は価格の安定化のためには2021年産米の作付を35万トン減らせと生産者に押し付ける一方、輸入米(ミニマムアクセス)の77万トンには手を付けません。コロナパンデミックで世界の食料事情も変化し、主食を含む輸出制限をかけた国が19にも上るなど、「自国の食料は自国で生産する」ことが食料の安全保障の点でも重要になっており、国民的要求も大きくなっています。
 政府による「農業・農協改革」は、農協系統の「自己改革」となって、県1農協・広域合併化、施設統廃合などの「合理化」が急速に進められています。こうした組織再編は農家組合員や利用者、自治体からも反対や慎重を期す声が上がり、地域経済や生活基盤への影響も懸念されています。
 私たち全農協労連は、協同組合の役割発揮、そして農協事業の土台である「地域農業を守り食料自給率の向上」を求める運動を大きく広げること、「働き続けられる賃金と職場」をつくるために、職場をはじめ農家組合員や地域の広範な人たちと共同の取り組みを強めていきます。



懸命に働く仲間の労働条件改善に取り組む

全国信用保証協会労働組合連合会 中央執行委員長 木本 浩司

 信用保証協会は公的保証により中小企業・小規模事業者の資金繰りを支えています。全国の信用保証協会は、新型コロナウイルス感染症拡大による影響を受けた事業者への資金繰り支援に全力を注いできました。現場で働く協会職員は、感染リスクと隣り合わせのなか、エッセンシャルワーカーとして高い使命感を持ち、経営相談窓口の拡充対応や時間外勤務・休日出勤等により、セーフティネット機能としての役割を果たして参りました。
 ポストコロナ社会への対応に加え、コロナ禍前からの課題である事業承継や生産性向上などに取り組む中小企業等に対し、事業承継支援や経営支援など協会職員に求められる労働の質・量は年々高まっております。そうしたなか、賃金引き上げは国費投入を理由に厳しい状況にあります。国の適切な中小企業政策と中小企業等の発展がなければ我々の労働条件の改善も難しいと考えています。同じ金融業界で働くものとして金融共闘の皆様とともに労働条件の改善に取り組みます。


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