全農協労連青年部オンライン学習会
全農協労連青年部は、コロナ禍のなかで毎月1回のオンライン学習会を実施しています。第1回目の学習会は2月24日に開催し、全農協労連青年部の添田雅弥部長が「労働組合・青年部の活動をどう盛り上げていくか」と題して講演。その後参加者で交流・意見交換を行いました。
添田部長は、資料で労働組合と農協の労使交渉によって決定される事項や、法律や制度で決まる事項などを図で解説。職場での活動の経験と事例を紹介しながら「『自分が不利益にならなければ関係ない』といった利己的な行動ではなく、困っている仲間の不利益を解決していく利他的な考え方を持つことが必要」と強調。青年部活動を通じて、将来の労働組合の担い手としてのトレーニングをしていくことや、セミナー・学習会への積極的な参加を呼びかけました。その後、参加者から職場や労組活動の悩み、労働組合の活動を通じて要求が前進した事例を出しあい、交流が行われました。(全農協労連青年部オンライン学習会資料①)
3月24日の第2回目では、「労働時間のルール~私たちの働く時間をどう考えるか~」と題して、全農協労連青年部の清水俊臣執行委員が講演。当日配布した資料の冒頭で、「残業代の不払いについて少なからず発生している実態を踏まえて、今一度私たちの労働時間とは何か?」と問題提起し、①労働時間について、②時間外労働について、③働き方改革と労働時間について解説。清水執行委員は、残業を事前申告制にしている職場や、明確な残業指示がない「黙示の残業命令」でもきちんと時間外労働として管理させていこうと強調しました。講演の後は、参加者が職場の実態や課題について交流。「出勤簿のチェックだけで、時間外労働は申請した分だけ。正確な労働時間管理ができていない」「終業後は時間管理できているが、始業前の掃除時間の割増賃金は払われていない」など問題点が出され、しっかり労働時間管理を行わせ、時間外賃金の支払いを実現していくことを確認しました。(全農協労連青年部オンライン学習会資料②)
第3回目は、4月21日に全農協労連青年部の木村智紀副部長が「協同組合で働くこと~事業や組合員とどう向き合うのか」と題して講演し、職場での矛盾や課題、労組の取り組みについて交流しました。
木村副部長は、営利目的の企業と非営利・相互扶助の協同組合や関連団体の違いを解説したうえで「でも実際には営利を追求する事業展開をしていないか」「組合員が求めていない事業が、ノルマ化され個人目標になっていないか」と投げかけ、不特定多数にむけた販売や「お客さん」という単語の多用など、日常的な矛盾についての事例をあげてどう考えていくのか問題提起。また、日本経済の行きづまりや、JAバンク基本方針などの統一的なルール運用の中で、本来あるべき組合員の意思決定が形骸化されていることを指摘しました。
参加者からは、「貸付に組合員の利用が少なく、本当に組合員のための事業なのか疑問を感じている」「農協の特産品ならばわかるが、宝石などの押し売りのような推進は協同組合らしくない」など、日常の業務の中で感じている疑問を出し合い、矛盾の解決に向けて労働組合としてどんなアプローチができるか話し合いました。(全農協労連青年部オンライン学習会資料③)