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○金融労連第16回大会をオンラインで開催【金融労連】

コロナ後の中小企業をどう支えるか
金融労連第16回定期全国大会をオンラインで開催

金融労連第16回定期全国大会をオンラインで開催

 10月2日、金融労連は第16回定期全国大会をオンラインで開催し2022年度運動方針を決定。新年度新役員を選出しました。


 大会では、佐藤副委員長(北洋銀行労組)の開会のあいさつに続いて、神奈川銀行従組の上田さん、世田谷信金労組の中島さんを議長に選出。
 中島委員長(滋賀銀行従組)が次のようにあいさつしました。
 19年3月期503兆円だった貸出金残高が21年3月期に537兆円へと増加し、金融機関が中小企業の資金繰りを支援していますが、今後、コロナで増大した借入をどう支払っていくのかが重要になってきます。日本銀行が経費削減した銀行に0.1%の金利を付利する特別当座預金制度は、申請済みと前向きに検討している上場地銀が8割に上り、金融機関が制度の基準に沿うだけ経費削減したことになります。9月公表の日銀「金融システムレポート別冊」地域金融強化に向けた取り組み (boj.or.jp)からも、地銀が経費率削減に軸足を変えていることがうかがえます。この点について、日本総研は「過度に経費削減に傾斜し、必要な投資や人材の削減につながる可能性」に言及。「真に地域金融の強化に繋がるのか検証が必要」と警鐘を鳴らしています。
 中島委員長は8月31日公表の金融庁「2021年度の金融行政方針」にも言及して、次のように訴えました。


地域経済再生の中で地域金融機関の果たすべき役割

 地域金融の強化には地域経済全体の活性化が不可欠であり、地域経済の再生の中で地域金融がいかなる役割を果たすべきかが語られなければならない。行政当局が経営者の目の前にニンジンをぶら下げて、それをめがけて経営者がひたすら努力するような、当局言いなりの地域金融経営を放置しておくべきではありません。
 以上のように指摘し、中島委員長は「経費削減、人事制度改悪などに対抗する取り組みを含めて金融労連として対処していきたい」と訴えました。
 最後に、中島委員長は「中小企業の支援を通じて地域経済を盛り上げるのが地域金融機関の社会的責任」として「今、成長や生産性と異なった価値観が求められるのではないか。その地域で暮らしている人々を支援するという価値観が必要なのではないか」と提起し「人が生きていくことを生産性や収益性で評価するというのはあまりにも失礼な話だ」と批判。「人が生きていくということを基準にした価値観、評価軸が必要です」と強調し以下のように表明しました。
 私たちが労働組合の立場でいろいろな人々と接点を持ってどういう風に取り組んでいくべきか考えていきたい。それができる労働組合が金融労連です。今は、私たち労働組合の出番だと考えています。皆さんと一緒に奮闘していきます。

 来賓としてオンライン参加した全労連の黒澤事務局長は、コロナウイルスに感染し自宅で亡くなっている方がインターネット番組デモクラシータイムズの調査で、昨年の3月から817人が病院外で亡くなっているとし、保健所の異常なひっ迫状況も含めて「これは人災というべき」と指摘。最低賃金で働く人がこの10年間で倍増し、そこにコロナが襲ったことを明らかにして「労働組合がもっとしっかりと声を上げるようにしたい」と決意を表明しました。


2021年度活動の総括、2022年度運動方針

 笹本書記長が2021年度活動の総括案、2022年度運動方針案の提案を行いました。
 2021年度活動の総括案では、新型コロナウイルス感染防止のため活動が困難な状況で職場集会、執行委員会などSNSを利用するなど工夫しました。昨年の年末臨給ではさわやか信金従組が粘り強く交渉して3次回答で前年比増の回答を勝ち取り、全体として増枠の回答が増えましたが、減枠も多くなりました。金融労連の業界団体、官庁への要請は文書での要請を行い、各地の財務局、労働局の要請も文書送付による要請となりましたが、金融ユニオン愛知は愛知労働局へ要請を行いました。春闘では、23組合、28企業で要求を提出しましたが、ベア回答は2企業でした。今年の夏期臨給では前年同率が中心ですが、増枠が増えて減枠が減り、さわやか信金従組では昨年冬同様3次回答で昨年比プラスの回答を引き出しました。高齢者雇用安定法に対応して北洋銀行で70歳まで雇用延長、神奈川銀行で70歳までの雇用継続実施など改定が行われています。砺波信金では55歳以降のベテラン職員への賃金アップ、嘱託職員への月給制の賃金がアップされています。三菱UFJ銀行では、契約社員への子供手当、月5000円が4月から支給されています。
 あおぞら銀行で金融ユニオンに加盟した伊藤さんへの不当処分を求めるたたかいは東京都労働委員会での調査が行われています。金融ユニオンから提起があれば積極的に取り組んでいきます。


あおぞら銀行のたたかいを支援する決議案 満場一致で可決

 2022年度運動方針案の提案では、組織の強化・拡大に向けてについて次のように提案しました。
 定期的に執行委員会を開催し組合員の声を聞き、非正規労働者の格差是正に向けて取り組みすべての格差是正を進めます。SNSを利用して金融労連の存在を広く宣伝し仲間を増やし交渉力を強化し、拡大対象を広げて金融機関関連会社を含むすべての労働者に加入を呼びかけていきます。次世代幹部育成のため、SNSを利用して若い仲間との接点を増やし金融労連の会議や行動、地域の行動などに参加してもらい労働組合の活動に参加しやすい雰囲気を作り労働組合の運動を理解してもらうように努力します。
 討論では延べ12人が、様々な取り組みや運動の成果など、本部方針提案を支持・補強する発言がなされました。全議案が満場一致で採択され、新執行部を選出し、金融ユニオンから「あおぞら銀行の社会的責任を問うたたかいを支援する決議」が提案され、満場の拍手で採択されました。



2022年度 金融労連役員

中央執行委員長 中島  康隆 滋賀銀行従組
中央副執行委員長 佐藤  一枝 北洋銀行労組
中央副執行委員長 舟田   靖 さわやか信金従組
中央副執行委員長 長谷川 清志 米子信金従組
書記長 笹本  健治 本部書記局


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