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○金融労連関東地協が第5回定期大会を開催【金融労連】

アベノミクスで格差拡大、さらにコロナ禍が追い打ち
金融労連関東地協が第5回定期大会を開催

金融労連関東地協が第5回定期大会を開催

 10月23日、金融労連関東地協は東京都品川区で第5回定期大会を開催しました。大会は関東金融労組の戸田さんを議長に選出。関東地協の小林議長(さわやか信金従組)が、挨拶をして、ハラスメントなどに対して職場から声を上げることの大切さを強調し、若い仲間の参加する組合運動を次の世代につなげていくことを訴えました。

 引き続き、金融労連本部の笹本書記長が連帯の挨拶を行いました。笹本書記長は、コロナ感染拡大以前から、アベノミクス政策により大企業や一部の富裕層に莫大な利益をもたらし、中小零細企業に恩恵はいきわたらず地域経済を衰退させ格差を拡大し、労働者の実質賃金は減少していたと指摘。新型コロナウイルスの拡大でその矛盾がますます鮮明になり飲食業をはじめ多くの中小零細企業が廃業・倒産しているとし、厚労省の公表データによってコロナ関連の解雇・雇止めは10月15日時点で見込みを含め12万人に迫っていることを明らかにしました。また、地域金融機関は日銀のマイナス金利政策で厳しい経営環境が続く中で、新たなビジネスモデルが求められ労働者に多大な負担が強いられているとし、さらに地域金融機関の再編合併が進められようとしていると指摘。
 職場では、金融庁の言う「顧客本位の業務運営」に反する営業推進が進められていることから、職場を去る若者が増えている状況を明らかにしました。笹本書記長は、そうした中であるからこそ、工夫を凝らし8時間働けば普通に暮らせる社会の実現を目指し、働くルールの確立、憲法改悪阻止、社会保障の充実など暮らしと平和、民主主義を守るため国民的運動をより進めていくことが求められていると訴えました。



コロナ禍の中の従業員の奮闘に報いるべき

 2021年度活動の総括案を関東地協の小林議長が提案しました。その中で労基署が調査に入って、有給休暇の取得、時間外手当がきちんと支払われているかが調べられるとともに、今回は組合費のチェックオフの状況も確認されたとして、働き方改革に関連して労使関係の実態も調査されていることが報告されました。
 また、夏期臨給の取り組みについて、金融労働者の仕事はエッセンシャルワークであり、コロナ禍の中で融資が増え金融機関の財務内容は改善しているが経営者側は一過性のものだとして従業員に報いようとしないと批判。従業員は頑張っているのにボーナスで報われないことに抗議の声を上げていくべきと訴えました。



安心して働ける政策が求められている

 上田事務局長(神奈川銀行従組)が2022年度運動方針案を提案しました。上田事務局長は、安倍内閣を継承した菅政権の下でのコロナウイルス感染拡大について「国民の命を差し置いて経済を優先した政策をとってきた結果と言わざるを得ない」と批判し、菅政権退陣の後登場した岸田政権について国民がしっかりと見定めなければならないと訴えました。
 金融情勢については、2020年度銀行決算は、新型コロナウイルス関連の融資残高増で大手行、地域銀行、信用金庫がそろって増益となっているが、地域銀行、信用金庫は2007年以降13期連続で貸し出し利ザヤが減少し、さらに2016年以降のマイナス金利政策の下で銀行の収益構造が大きく悪化していると指摘。地域金融機関の収益力が悪化する中で、行政が金融再編をさらに進める可能性があり、店舗統廃合など利用者の利便が損なわれる懸念を表明。
 「顧客優先のビジネスを考えるのであれば、金融機関のマイナス金利政策を早急に止め、私たちが安心して働ける環境をつくるための政策を打ち出す必要があります」と訴えました。
 たたかいの進め方では経営民主化闘争をあげ、金融機関経営者が企業の生き残りのために労働者を犠牲にする経営方針に反対し、労働者の生活と権利を守り、地域の発展に貢献するため、顧客の利便性の悪化を伴う合併・経営統合に反対していくことを提案しました。

討論から

 執行部からの提案の後の討論では、

  • ・中央執行委員に昨年は4人、今年は5人若いなかまを迎えた。若い人の要求を反映させていきたい。
  • ・これまで渉外の仕事をしてきたが、預金・融資・営業の橋渡しをする仕事に変わった。テラーの仕事の負担の大きさを再認識させられている。労働組合としてもっと実態をよく聞いて団体交渉に反映させるべきだと反省している。
  • ・店舗統合が進められ、ブランチ・イン・ブランチなどお客様を混乱させている。銀行は「顧客本位の営業」で進めていると言うが、どういう理屈でそうなるのか疑問に思う。
  • ・地銀再編の動きが報じられる中で、大手地銀との業務提携の話が出ると従業員の間に不安が広がっている。
 以上のような発言とともに、「少数組合だが職場の要求を取り上げた組合ニュースを多数派組合の職場にも配布し、読まれていることがわかる反応も出ている」「60歳定年を機に金融労連加盟組合に加入した。経営側に要求を出していくことの大切さを認識している」など組合活動の原則を実感した報告も出されました。
 その後、全議案を全会一致で可決し、次期執行部を選出。最後に参加者全員で団結ガンバローを三唱し閉会しました。


金融労連関東地協 2022年度四役

議長 小林  徹 さわやか信金従組
副議長 吉田 和典 東京きらぼしFG労組
事務局長 上田 直也 神奈川銀行従組
事務局次長 吉田  渉 興産信金労組


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