循環型地域経済には賃上げが不可欠
金融労連第16回中央委員会をZOOMで開催
1月23日(日)、金融労連は第16回中央委員会をZOOMによるオンラインで開催。金融労連本部が2022年度春闘方針案を提案したのち、各職場からの報告をうけ全員一致で春闘方針を決定しました。
中央委員会で中島委員長が主催者あいさつを行いました。
中島委員長は、世界的なSDGsの追求でESG金融、気候変動への対応、働き方改革、ジェンダー平等などへの取り組みは金融機関にも求められているが、現在の取り組みで前進するかは疑問だと指摘。過去にも1973年に福祉元年が唱えられ、1991年には国民生活審議会の委員会が「個人生活優先社会をめざして」という中間報告を出し、個人を中心とした価値観の形成、ノルマの廃止、労働時間短縮・残業割増賃金率の引き上げなど提起されたが、1975年のオイルショック、1991年以降のバブル崩壊後の経済停滞で実現が阻まれたと説明。「財界のマスコミ宣伝にのみ込まれてしまうと改革はできない」と述べ、「今春闘では積極的に制度の改革に取り組んでいきたい」と発言しました。
また、東京商工リサーチが、2021年度の休・廃業企業が前年から1割減の4万件と公表していることを紹介し、休・廃業が1割減っているといっても2020年、2018年に次いで3番目に高水準で「地域経済にとって由々しきこと」と説明。
中小企業を支援し地域経済を守るのが地域金融機関の重要な役割であり、地域で循環型経済を作るためには賃上げが欠かせないと指摘。
「この春闘は、地域でどのように地域循環型経済を作っていくかにつきる」とし「地域をどう維持し発展させていくのか。金融労連は、地域金融はどうあるべきか示していくべき」と訴えました。
笹本書記長が2022年春闘方針案を提案し、岸田首相は「新しい資本主義」で新自由主義からの転換を訴えているが、これまでの規制緩和路線を転換する姿勢は全くないと批判。政府は、賃上げした企業に法人税を控除する税制を22年度の税制大綱に盛り込んでいるが、安倍政権の法人税大幅減税が賃金にまわらなかったことでも明らかなとおり、法人税の減税ではなく消費税の減税・廃止の方が消費をうながすのではないかと提起。
さらに、実質賃金は9年間で22万円減り、GDPの半分以上を占める個人消費が前期比で1.3%減少し、新型コロナウイルスに起因する解雇・雇止めが、見込みを含めて12万人を超え、女性の自殺者が大きく増加したことが報じられていると現状を明らかにしたうえで「非正規雇用を雇用の調整弁とした弊害が目に見える形で表れている」と訴えました。
金融情勢については、5大銀行の21年4月~9月期決算で純利益は過去最高となり、地銀・第2地銀の21年中間期でも全行が黒字を確保しているが、経済回復の不透明感が強まり不良債権化が懸念されると指摘。「同一県内の地銀を統合する動きが相次いでいて、今後さらに活発になることが予想される」とし「日銀の特別付利制度で地域金融機関は経費率削減、経営効率化が迫られており、店舗統廃合・人員削減で職場は大変な状況になっている」と説明。
コロナ禍で働いている仲間に報いるためにも、厳しい経済状況を打開するためにも「8時間働けば人間らしく暮らせる賃金をだれもが保証され、労働者の雇用を守り国民所得を増やし消費を喚起することで景気を拡大することが求められる」と2022年春闘での取り組みを訴えました。
提案を受けて参加者から、各職場の状況と取り組みが報告されました。
最後に、「あおぞら銀行の社会的責任を問うたたかいを支援する決議」を採択し、佐藤副委員長(北洋銀行労組)の閉会のあいさつで閉会しました。