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○コロナ禍の22春闘 職場の要求

新聞報道に見られる22春闘

あおぞら銀行のたたかい 都労委証人尋問を4月に予定

あおぞら銀行のたたかい 都労委証人尋問を4月に予定

 コロナ禍の下で、22春闘が取り組まれています。経団連も、岸田政権の政策に呼応し、業績が好調な企業に対し、基本給を底上げするベースアップを促していると報じられています。22春闘を新聞はどう報じているか、金融の職場では何を要求しているかを紹介します。

 22春闘を新聞各紙はどう見ているか。主要紙の社説は、「物価上昇と春闘 生活不安ぬぐう春闘こそ」(毎日1月26日)、「物価の動き 賃上げで経済支えよ」(朝日1月20日)、「春闘スタート 賃金を上昇させてこそ」(東京1月27日)、「経団連方針 賃上げは好調な企業の責務だ」(読売1月29日)と報じるなど、各紙とも物価が上昇し始めている中で賃金を引き上げなければ労働者の生活が圧迫されることを指摘。経済回復に賃上げが求められると報じています。
 一方で、日本経済新聞は「持続的な賃上げへ労使は改革で道筋を」(日経1月20日)として、賃上げの重要性に触れつつも、「持続的な賃上げができる基盤づくりへ議論を深めるべきだ」として「ジョブ型雇用の導入」など経団連が進める「合理化」や働き方改革と一体となった対応をうながしています(社説はいずれも各紙電子版から)。



最も歪んでいると感じるのは―
「働き方改革など労働生産性の追求」


 これに対して、職場からはどんな声が出されているのでしょうか。全損保は「生活と労働条件に関するアンケート」(2022年春闘構築に向けて)の集約結果を「全損保」1月25日号で解説。「効率化政策と労働生産性追求の強まりのもとで 広がる被害と矛盾、疑問と不安」「高まる生活と労働を改善する要求への期待」として、職場の声を紹介しています。
 解説記事の小見出しの「『人が足りない』を訴える声」「無理にすすめる効率化政策の弊害」「“働き方改革”による矛盾の深まり」という言葉が、職場の現実を表しています。そして「あなたが今、損保産業で最も歪んでいると感じるのは何ですか」という問いに「働き方改革など労働生産性追求」と答えた人が、21年度では25%で最も多く、22年度でも20.8%で3番目に多くなっていて「日経」社説の言う「持続的な賃上げができる基盤づくり」が、職場の労働者の求めるものと正反対であることを示しています。
 行政が再編を進め、経費率の削減、生産性の向上を迫られている地域金融機関でも同じ声が上がっています。金融労連の「職場とアンケート集約結果」(2022年2月8日現在)で「職場の実態の中であなたがとくに不満・不安に感じていることは何でしょうか」の質問に「要員が足りない」と答えている人が62.5%で最も多く、次に多いのが「リスク商品等のノルマの追求」で26.1%、3番目に多いのが「職場や仕事がなくなるのではないか」で18.7%となっています。
 こうしたなかで、全損保のアンケートでは、「労働組合に取り上げてほしい課題は何ですか」との問いに、「昇給の確保・賃金水準の引き上げ」と答えた回答が最も多く、2021年度で61.8%、2022年度で67.1%となっています。全農協労連の「2021年度(2022春闘)『くらしの実態・要求アンケート』の集計」でも「職場で不安・不満に感じること」に「賃金が安い」が最も多く、半数以上が回答しています。各アンケートの集約結果をみても賃金引き上げが春闘の最も重要な要求であることは明らかです。同時に「働き方改革」の名目での「合理化」・効率化に反対し、人間らしく働ける職場の実現が求められています。



証人尋問の日程が確定 あおぞら銀行のたたかい


 あおぞら銀行のIさんは、職場で生じたコンプライアンス違反を是正するために内部通報したことに対して、懲戒(出勤停止)、2階級降格など不当な処分を受けました。この不当な処分の撤回を求めるたたかいが東京都労働委員会(都労委)でたたかわれています。都労委での第7回調査が2月18日に行われ、4月21日(木)、4月22日(金)の証人尋問が決定されました。
 この間、金融ユニオンは繰り返し団交を申入れていますが、銀行はコロナ感染リスクを理由に対面協議を拒否しています。 金融ユニオンの特設サイトでは、Iさんに対する不当処分の経過を、マンガスライド「マンガで見るあおぞら銀行で起こっていること」で簡潔に解説しています。スライドはIさんがあおぞら銀行に入社したところから30コマのスライド画像で解説しています。マンガスライドは(あおぞら銀行行員支援 特設サイト)にアップされています。

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