金融共闘

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○22春闘 単産の取り組み報告

22春闘 要求実現めざす金融労組

 新型コロナウイルス感染は予断を許さない状況が続いています。全国金融共闘は例年4月統一行動の中で開催してきた意思統一集会を今年も中止しました。代わって単産の取り組みを報告していただきました。


職場からたたかい要求の実現を


全日本損害保険労働組合 中央執行委員長 浦上 義人

 損保産業は、大手グループが過去最高益を見込むなど全社的に業績は堅調となっています。しかし、既存市場の縮小、大規模自然災害の発生懸念に加えて、不透明なコロナ禍の動向、デジタル化への対応など、事業環境の先行きが不透明さを増していることから損保経営の危機感は依然として強くなっています。そのもとで「収益力の強化」をめざし、「合理化・効率化」、労働生産性を追求する動きを強めています。こうした各社の政策は、損保の職場に多様な「歪み」をもたらし、不満・不安が広がっています。一方で、職場の賃金水準引き上げを求める要求は強まり、春闘への期待は高まっています。
 全損保は、掲げた要求に確信をもち、その実現にむけて全損保統一闘争のもと、すべての組合員が結集し、職場からたたかう春闘に全力をあげています。


将来展望の持てる「顧客本位」でゆとりある職場に


全国金融労働組合連合会 中央執行委員長 中島 康隆

 政府・日銀は、独占禁止法の適用除外とする特例法の施行や、再編時のシステム統合費用などを補助する制度、経営統合や経費削減に取り組んだ地銀や信金に対し日銀の当座預金の金利を0.1%上乗せするなどの手法を使って、地域金融機関の再編・合併を進めています。
 日銀の異常なマイナス金利や人口減少、地域経済の破壊など、国の政策への反省・転換がないまま、各金融機関に対して「従来の経営では、生き残れない」と利益追求型の営業展開を求め合併再編を誘導しています。
 金融庁は金融機関に「顧客本位の業務運営」を求めていますが、地域金融機関は生き残りのために、利益追求型の営業展開による過剰なノルマで、とても「顧客本位」とはいえない職場の実態があります。日銀の特別付利制度により、「経費率(OHR)」の低下を意識した経営効率化を進め、安易に店舗統廃合や人員削減をする動きもあります。
 金融労連が毎年行っている「職場と生活アンケート」をみると、この10年間で、「リスク商品等のノルマ追及」が不満だと思っている人が18.8%から26.1%と大きく増え、さらに10年前は半分以下だった「要員が足りない」という不満は、実に62.5%もの仲間が感じています。この10年で金融の職場の機械化・システム化は進みましたが、一方で人員が減らされていることを裏付けています。
 こうした経費の削減の一方で、収益確保のためリスク商品の販売に力点をおき、人員が減った中でこうした商品のノルマ追及が厳しくなっています。地域密着、お客さま本位の経営が求められる中で、従業員がゆとりを持って、お客さまと話をしながら、自信をもってセールスができるような職場に変えていく必要があります。
 金融労連では、これからが春闘本番となりますが、賃上げはもちろん、労働時間や諸手当などの労働条件の改善含め、私たちの切実な要求の実現をめざします。特に、若年層の離職が増えている中、将来展望の持てる職場環境・処遇の改善が求められ、金融労連は引き続き、回答促進・要求前進の取り組みを進めます。


迫るインフレ、高まる賃上げと一時金への期待


全国証券労働組合協議会 議長 金子 正史

 主要証券の2021年4月~12月期決算は、株式委託手数料が伸び悩みました。一方で、資産管理型ビジネスへの移行進捗を梃に増益を達成する会社も増えるなどまちまちの業績となる中で、今年に入り、世界的なインフレ進行と利上げ、ロシアのウクライナ侵攻などがあって証券を取り巻く状況が厳しさを増しています。
 こうした中、SMBC日興証券が、株価を安定させる目的で、市場で不正に株式の買い支えを図る注文を出したとして、金融商品取引法違反の罪で副社長が逮捕され、法人としてのSMBC日興証券と幹部6人も起訴されました。
 売買注文を取り次ぐ証券会社が特定の株主や自社の利益を優先させれば、日本の証券市場に対する国内外の信頼も大きく失墜させかねません。自社利益優先から顧客と従業員を優先する経営への転換なくしては証券会社の将来展望を語れないでしょう。
 全証労協の集約したアンケート結果からは、インフレが迫る中で生活を守るために、今春闘、夏期一時金は、社員の努力に報いてほしいとの期待が強まっています。


地域での共同・共闘を広げ、協同組合の役割を発揮する


全国農業協同組合労働組合連合会 中央執行委員長 砂山 太一

 政府による「農業・農協改革」をもとに、農協系統組織は「自己改革」に取り組むとし、「経営基盤強化」が強く打ち出され、支所支店・施設の統廃合や広域合併、県一農協合併が全国的に進められています。組織再編に伴う業務の負担増や将来不安などで、そこに働く仲間は「働きがい」が持ちづらい職場になっています。
 一方、コロナ禍やロシアのウクライナ侵攻という世界情勢の影響よって食料安全保障の確立を求める声は高まっており、国民に対する食料の安定供給を図るためにも、地域における家族農業を中心に食料を増産し食料自給率の向上に努めることが求められています。
 こうした国民的要求に応え、農家組合員の営農と暮らし、地域の経済を支え、地域インフラとの役割を担っていくことが重要となっています。
 地域農業を土台に、連帯する多くの人たちと共に、安全安心な食料の安定供給、農協や農業に関わる地域の雇用と経済を支える運動に全国で取り組んでいます。


ポストコロナ見据え中小企業支援と労働条件改善目指す


全国信用保証協会労働組合連合会 中央執行委員長 山﨑 雄斗

 信用保証協会は、公的保証等により中小企業・小規模企業者の資金繰り支援及び経営改善支援に取り組んでいます。新型コロナウイルス感染症拡大による影響を受けた事業者への資金繰り支援は約2年に及び、現在においても同感染症拡大により生じた経営課題の克服や事業転換及び事業再構築等様々な課題があります。そうしたなか信用保証協会は地域金融機関や各種支援機関の皆様との連携による「伴走支援」や「プッシュ型支援」等に全力で取り組んでいます。
 そうしたポストコロナも見据えた対応に加え、コロナ禍以前からの課題である事業承継や生産性向上及び事業再生(再チャレンジ)など中小企業者等が抱える課題は山積している状態であり、協会職員に求められるスキルや業務の幅は年々高まっている状況です。
 そうしたなか、賃金引き上げは国費投入を理由に厳しい状況にあります。国の適切な中小企業政策と中小企業者等の持続的発展がなければ、我々の労働条件の改善も難しいものと考えています。同じ金融業界で働くものとして、金融共闘の皆様とともに労働条件の改善に取り組みます。


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