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○4・20春闘決起中央集会開催【全損保】

22春闘の情勢、労働組合の取り組みを学ぶ

4・20春闘決起中央集会

4・20春闘決起中央集会

 4月20日(水)、全損保は東京で「4・20春闘決起中央集会」を開催しました。集会は、コロナ感染防止対策を徹底し、会場参加人数を絞り込み、オンラインによる地方からの参加を加え、9支部・独立分会、友好労組から30名が参加しました。


会場参加とオンライン併用


 決起集会では、国民春闘共闘委員会の黒澤幸一事務局長(全労連事務局長)から、「22国民春闘情勢とたたかいの方向」と題する講演を受けました。
 黒澤さんは、22春闘は①長期にわたって賃金が低下し、②コロナ禍が長期化、③消費者物価が上昇、④ロシアによるウクライナの侵略戦争が勃発という「四重苦」の下でたたかわれていると説明。
 低下が続いている日本の賃金の実態について、最低賃金前後の労働者が倍増し、最低賃金×1.3の時給1300円程度を含めると3割の労働者がその範囲で働いていると、長期に及ぶ賃金低下の中で「中間層」の人々が最低賃金前後まで引き下げられていることを明らかにしました。


賃金は労使関係で決まる


 22春闘では、コロナ禍の下で自分たちの生活をなげうって働き、その労働は社会の維持に関わる重要な役割であるにもかかわらず賃金が低い、医療、介護、保育、スーパーなどのエッセンシャルワーカーに注目し改善を目指していると説明。一方で、大企業の内部留保は2000年~2020年の20年間で1.75倍になっているとし、賃金が上がらないのは、財界・大企業・政府が一体となって春闘を破壊し、労働組合の力が弱くなったことによるとしました。
 そして「本来は労働者が労働組合を中心に団結して春闘破壊をはねのけてたたかわなければならないが、これをはねのけることが困難なところに今の立ち位置がある」と問題を提起し「賃金は労使の力関係で決まる」という原則を説明。「賃金を上げるためには労働組合が強くなる以外にない」と強調しました。


非正規雇用の増加が交渉力を弱める


 さらに、労使対等原則が形骸化し労働者の側が労働争議・ストライキを避け、納得できる回答がなくても交渉をおさめてしまうことが、努力しない企業経営を作り出し企業をゆがめてそれが日本経済を冷え込ませる結果となっているとしました。
 黒澤さんは、賃金が上がらないもう一つの理由として、非正規雇用の増加を上げ、非正規労働者の増加が労働組合の交渉力を弱めると指摘。企業は安い労働力に転換して利益を確保し、それだけで乗り切ろうとする。これに対抗するためには、非正規労働者の雇用が企業のコスト増になるくらい非正規労働者の賃金を上げることが求められるのではないかと提起しました。


一時金引き下げを断念させたケア労働者のたたかい


 また黒澤さんは、岩手医科大学教職員組合の、昨年の年末一時金闘争の事例を紹介しました。同教職員組合は年末一時金を引き下げるとの通告を受け、コロナ禍で懸命に働く医療従事者の賃下げは認められないと一時金引き下げ阻止に立ち上がり、ストライキ通告を行い、要請署名を学内外で集め、地域や職場玄関前での宣伝、組合役員への講習会等で方針を徹底、さらに当局に36協定の改廃を申し入れ、岩手労連の支援を受けるなどの取り組みで、一時金引き下げを断念させました。
 そして黒澤さんは、「春闘でたたかうというのはこういうことです。そこまでたたかう意思を持つかどうかです」と結びました。
 最後に、集会参加者に対し「①全損保という労働組合に団結し損保全体の賃金水準を引き上げるたたかいをしてほしい、②全損保全体で励まし合い、会社が儲かっているかではなく我々の生活を支えられるかどうかで堂々と要求していくべき、③この春闘を通じて若いニューリーダーを作り、仲間が増え組合員が元気になる春闘にしてほしい」とエールを送り講演を終えました。
 講演のあとの質疑では、

  • ・春闘破壊の攻撃を受けた日本では賃金引き下げが続いているが、海外では春闘の取り組みがなくても賃上げを実現しているのはどうしてか
  • ・海外では非正規労働者の比率はどのくらいか
  • ・最低賃金の引き上げがどのように労働者全体の賃金改善につながるのか
など質問が出されました。黒澤さんは、海外では産業別労働組合と経営者団体によって産業全体の労働条件が決定されるなど日本の企業別労働組合との違いを説明。最低賃金は全労連や春闘共闘の取り組みで引き上げが続き、業種によっては企業の初任給が最低賃金を下回るところまできており、賃金体系の見直しによる賃金引上げにつながると説明しました。


 労働組合の責任を改めて認識 ― 参加者の感想


 集会では、各支部・友好労組の代表から講演の感想、職場状況、春闘への思いなど発言がありました。講演の感想では、

  • ・賃金は労使の力関係で決まることを確認できた
  • ・労働組合としての責任を改めて認識した
  • ・真の産業別労働組合にしていかなければならないと思った
などの発言がありました。
職場の状況については、
  • ・一つの職場で、営業もできる、査定もできる、自然災害の査定もできるなど何でもできるように求められ、企業内労働組合は「それでうまくいっています」と報告している
  • ・人員が明確に削減され、1割くらい削減された。業界全体で起きていることではないか
  • ・社員の業務の完全な外注化が行われ、効率化して人員を削減している
など報告されています。 集会では最後に、浦上委員長が「コロナ禍で私たちが一番大切だと思っている『集まって語り合って励まし合う』が困難な状況にあるが、話し合う場を工夫して作ることで春闘をたたかう力にしてほしい」と訴えて閉会しました。
  参照 全損保ホームページ「4・20春闘決起中央集会」


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