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○第86回定期全国大会開催【全損保】

全損保第86回定期全国大会

全損保第86回定期全国大会

 9月21日、全損保は東京・四谷の「主婦会館プラザF」において第86回定期全国大会を開催。2023年度運動方針を決定しました。

 来賓としてかけつけた国民春闘共闘の小畑代表幹事(全労連議長)は「全労連は第31回定期大会で『たたかう労働組合のバージョンアップで職場・地域から労働者が声を上げ平和で公正な社会を作ろう』をスローガンに掲げました。これまで『春闘に勝利してなかまを増やそう』と取り組んできたが、そうではなく『要求でなかまを増やしてその力で春闘を勝利しよう』と明確に変えていこうということです」とあいさつをしました。
 全国金融共闘の金子事務局長(全証労協議長)は「安倍政権が大胆な金融緩和を打ち出して10年になるが、企業だけが潤い国民の生活と日本経済は置き去りにされました。海外では利上げに動いていますが、日銀は金融緩和を継続するとしています。金利差が拡大し24年ぶりの円安になり、輸入物価を抑えるために利上げを求める声が出ています。日銀は大量の国債を保有し、金利1%の上昇で国債費が3.7兆円上振れすると試算され、金利2%まで上昇すると債務超過になるとの指摘もあります」と述べ「今こそ、国民・労働者が幸せに暮らせる国にするためにたたかうべきです」と呼びかけました。


「安心して働ける職場環境」が求められている

 浦上委員長が2023年度運動方針を次のように提案しました。
 コロナウイルス感染の終息のめどが立たず、ロシアによるウクライナ侵攻が長期化するなかで、世界経済に様々な負の影響を及ぼしています。世界各国で歴史的な物価高となり、主要国は政策金利引き上げに動いていますが、日本は金融緩和を継続し、各国との金利差が拡大。円安が急速に進み、輸入価格が上昇しています。
 日本では全国的な行動制限が行われずGDPが増加し、企業業績は順調に推移し内部留保がはじめて500兆円を超えました。一方で、消費者物価が上昇し家計を直撃。実質賃金は6月時点で、3ヶ月連続のマイナスとなっています。
 岸田政権の政策は「アベノミクス」の焼き直しです。防衛力を強化するとし、防衛費は、2%まで引き上げ、5兆円増額するという論議が強まっています。「構造改革」の名のもとに、この30年間で公務・公共サービスを削り、コロナ対応の最前線基地である保健所は、850ヵ所あったものが今は約半分になっています。今、国民のいのちや暮らし、平和と民主主義を守られる日本にしていくために、私たちの声と力を強めていくことがもっとも必要になっています。
 損保各社の業績は、大手グループをはじめ全社が好調です。3月期決算では、大手3グループの連結純利益は過去最高益を更新しました。しかし、不透明なコロナ禍の動向、ウクライナ危機の長期化による経済停滞、デジタル化への対応などの課題を抱えて経営の危機感は、企業規模の大小を問わずに強まっています。そうしたなか大手グループ経営は、国内での顧客囲い込みでマーケットシェアを競い合い、海外の金融機関買収や新規事業領域で収益の拡大をめざしています。中小社も競争に巻き込まれ各社の政策すべてが「収益力の強化」をめざしたものとなっています。在宅勤務などテレワークの推進や対面業務の自粛がすすみ、働き方が急変しました。入社まもない若手は、先輩に聞くことができず、精神的に追い詰められ会社を辞めてしまうケースも発生しています。私たち労働組合は、「生産性の観点」ではなく、会社の責任で、安心して働きやすい職場環境の整備を求めていくことが求められています。


「集まり、話し合い、励まし合える」全損保の良さを大事に

 コロナの感染拡大が収まらないなかでも、リモートで地方の組合員も参加した春闘決起中央委集会を成功させ、1月のボウリング大会は延期として6月に開催できました。3年ぶりに開催したバーベキュー大会、サマージャンボリーも感染対策を徹底して開催。新たにリモートによる「地域組合員との意見交換会」を6地域で、のべ10回開催しました。工夫をさらに広げて、「人が集まって語り合う」場をつくっていきたいと思います。企業や職場の違いをこえて「集まり、話し合い、励まし合える」全損保の良さを大事に、知恵と力を結集することが、2023度運動方針の骨格です。
 会社は会議などをリモートでおこない、外部会議への出席禁止が言われている職場もあり、組合員のなかには「会議はリモートで十分」という認識を持つ人が多くなってきていることも否定できません。しかし、リモートでは、「その人の表情や態度を見ながら悩みを聞き、一緒に考え励ます」ということには限界があります。リモートは活用すればいいと思いますが、全損保が最も大事にしてきた「直に組合員が集まる」ことの大切さは忘れてはいけません。
 いっそうの団結のもと、運動を前進させていくために奮闘していくことを呼びかけ、議案第1号の提案とします。

定年を前に「全損保組合員でよかった」 代議員の発言から

 運動方針の提案を受けて参加代議員、オブザーバーからは職場の状況とたたかいについて発言がありました。

  • ・コロナ渦を理由に何もしないで待つのではなくどうすれば安心して参加できるか話し合いを重ね、1月予定のボウリング大会を中止ではなく必ず開催しようと「延期」して6月に開催し、集まることの大切さを実感できた。
  • ・一人一人が分断されている中で、集まり語り合うことの大切さを実感できた。
  • ・2004年に14名の有志で労働組合を結成し全損保に加入し、組合員を拡大し残業代を3年に遡って支払わせた。会社も我々の主張に耳を傾けるようになった。定年退職するが、全損保に加入して良かった。
  • ・従業員から不満が強く出されている「ジョブローテーション」に対する取り組みを行い、職場の労働者の声をそのまま会社に伝えることを武器としてたたかっていく。

 一度は、全損保を脱退した組合の組合員となった労働者からは「組合員の声を取り上げないことに疑問を持ち、全損保に残った組合員の意見を聞いて全損保に戻った」という発言もありました。
 大会ではすべての執行部提案が全会一致で可決され、新執行部体制を確立。佐藤副委員長の「団結ガンバロー!」で閉会しました。



2022年度 全損保役員

中央執行委員長 浦上  義人 共栄
中央副執行委員長 佐藤  洋一 損保ジャパン
中央副執行委員長 中島 美智子 日本興亜
書記長 及川   肇 日動外勤
副書記長 江川  将司 楽天損保


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