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○2年9ヶ月ぶりに本部オルグ開催【全損保】

全損保が東京で本部オルグ

全損保が東京で本部オルグ


 11月16日、全損保は東京で本部オルグを開催しました。全損保は例年本部オルグを東京、大阪、札幌、広島など各地域で行ってきましたが、2020年2月以降コロナ禍によって中断していました。今回は2年9ヶ月ぶりに東京地域での開催とし、ZOOMも活用して地方からの参加も可能な形で開催しました。

終息の見えないコロナ禍、ウクライナ危機と世界経済

 浦上委員長は、以下のように取り巻く情勢の特徴を説明しました。
 新型コロナウイルス感染の終息の見通しが立たないこと、ロシアのウクライナへの軍事侵攻が、経済の混乱と世界的な物価上昇を招き、市民生活へ大きな影響を与え、世界経済は全体的な傾向として落ち込んでいます。日本では大企業を反映した企業業績は好調だが、企業は内部留保として溜め込み、内部留保は初めて500兆円を超えました。一方、物価上昇は顕著で9月の消費者物価指数は前年同月比で3%上昇し、13ヶ月連続の上昇です。実質賃金は9月時点で、前年同月比で1.3%減少し、マスコミは日本だけが賃金が上がらないと報じています。


求められる公共サービスの拡充・医療体制の見直し

 岸田政権が登場しましたが、安部政権からの政治姿勢は変わらず、富裕層の莫大な資産に対する金融所得課税の強化も見送られました。6月発表の「骨太方針」で、これまでGDPの1%以内とされてきた防衛費を5年以内に増強し、2%まで引き上げ10兆円にまで増加させようとしています。また、この30年間で政府は公務公共サービスを削りに削って、感染症の病床数は30年前22万床を超えていたが今1800床にまで減少し、保健所の数も850カ所が半分になっています。感染症に対する構えはコロナ前から脆弱化されていたのです。コロナへの対応は医療体制を見直し、改善しなければならなかったのにそうしなかったことが現状を招いています。
 7月の参議院選挙後の記者会見で岸田首相は改憲への意欲を示し、8月には原子力発電所の運転期間の延長・新増設や建て替えの検討を進めると表明しました。旧統一教会と国会議員との関係性の問題などにも納得できる説明は全くありません。このように改憲の動きを強め、平和と民主主義を破壊する方向に向かっている政治を変えるために、視野広く政治や経済やこの国を見て、国民として声を上げていく必要性が増しています。


損保をめぐる情勢

 損保をめぐる情勢では、各社の業績は前年度、大手グループはじめ全社が好調でした。2010年に損保が3メガ体制となって以降の最高益で、3グループとも全て過去最高益という決算でした。しかし、経営の先行きに対する見方は、コロナ禍、ウクライナ危機、急速に進むデジタル化など、従来とは次元の違う課題を抱えて危機感を強めています。そうした危機感のもとですすめられる過当競争は、中小社も巻き込み、各社の政策すべてが収益力の強化をめざしたものとなっています。企業収益、「合理化・効率化」、労働生産性の追求などが主眼におかれ、店舗の統廃合や事務集中による要員削減、働き方の改革が行なわれています。
 コロナへの対応としてテレワークが推進され、出社率が低いことを前提に執務スペースを縮小する動きもすすめています。様々な課題が明らかになっていますが、特に、入社間もない若い人たちは、同期や職場の先輩と会う機会が少なく、分からないことをすぐに先輩に聞くことができないことから、精神的に追い詰められて会社を辞めてしまうケースも発生しています。このように、経営の職場の経営方針が定まっていない中で、こうした働き方を「労働生産性を高める」ことを主眼に進めています。労働組合は生産性の観点ではなくて、会社の責任で働きやすい職場環境の整備を求めていくとともに、不安を払拭していくことが求められています。


組合員同士が集まって話し合うことが最も大切

 運動方針について浦上委員長は、次のように提起しました。
 昨年度は感染対策に最大限の配慮をしながら、内容なども工夫しながら「集まる場」を開催しました。例年1月に開催していた東京のボウリング大会は、地域協働会東京のメンバーが「中止にすると次に開催することが難しくなる」として「延期」とし、6月に2年半ぶりに開催しました。バーベキュー大会もサマージャンボリーも3年ぶりに感染対策を徹底して開催できました。参加者から「感染対策が徹底をされていたので、安心して楽しむことができました」という感想が寄せられたことが一番嬉しいことでした。
 昨日も北海道の組合員との意見交換会を開催しましたが、全国の地域の方々とリモートで結んで意見交換をする場を作ってきました。普段会えない組合員と接点を持つこともできました。
 人が集まって語り合うことができれば、その中で課題が見つかるし、要求につなげていくことができます。困っていることをみんなで考えるから励まされ、みんなで行動するから働き続けることができます。そうした場の大切さを忘れてはいけないといつも自問自答しているのですが、こうした工夫を今年度はさらに広げていきたいと思っています。当然コロナ禍の状況には注視が必要ですが、集まって話し合える場を作る努力を重ねていきたいし、どうしたらもっと組合員がリモートでも参加してもらえるのか、 みんなで考えながら、地域の組合員とのつながりを深めていくことができれば、全損保の運動も広がっていけるのではないかと思います。

 本部オルグでは浦上委員長の報告を受けて、参加支部から
・職場ではペーパーレスを進めている
・毎日の日報がIT化され日報の内容が複雑になり時間がかかる
・出向が多く出向先の業務に対応できない仲間が心配
・分会オルグで行くと久しぶりに分会で集まったと感謝された
などが報告され、集まって話し合うことの大切さが確認されました。



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