オンラインで開催した全農協労連第124回臨時大会
2月18日、全農協労連は第124回臨時大会をオンラインで開催しました。2023年春闘方針など全ての議案を可決し、大会後に行った郵便投票でストライキ権を確立しました。
冒頭、砂山太一委員長があいさつし、戦後の農協の歴史と労働組合結成の経過に触れ、家族農業を切り捨てる農政や、マスコミが農協への攻撃を強めるもとで、全国の仲間が組織再編などの困難な状況に置かれていることを指摘。特に、増加する労働相談から、労働組合が無い、あるいは機能していない職場で大変な状況が広がっていることを紹介しました。
その上で、仲間の雇用と労働条件を守れるのは、個人ではなく、組織・集団としての労働組合しかないと強調し、全国の仲間が一緒にたたかう産別統一闘争の重要性を訴えました。
来賓として国民春闘共闘委員会の黒澤幸一事務局長があいさつをして、この春闘でストライキを構えて職場のたたかいで賃上げを実現することが労働組合に問われていると訴え、職場の経営状態が良くなれば賃上げをするということではなく、まず賃上げをしてそれを経営や社会に反映させていくことが重要だと強調しました。
舘野豊書記長が、春闘方針など議案を提案。対等な労使関係と労働条件決定の原則を貫くなかで要求を実現してきた単組の実践を紹介しながら、産別統一要求や闘争日程を提案しました。(以上 全農協労連ホームページ )
物価高騰などの情勢を受けて、代議員からは大幅賃上げに向けた決意や職場での討論の様子が発言され、香川県農協労組の飯間徹彦さんは、この情勢でベアをかち取れなければ、機を逃してしまうと決意を述べ、北海道農協労連の小野絋志さんは所属単組でベア、インフレ手当などを要求し、例年を上回る昇給や交通費の見直しなど前進回答を引き出したことを報告。全農協労連青年部の中村晋太郎さんは「結婚したくても賃金が低くてできない」などの理由で中途退職する仲間の現状を告発し、コロナでの自粛を乗り越え「集まって」開催する会議の開催を要望し、つながりの強化を訴えました。全農協労連女性部の谷川聡子さんは資材価格高騰と乳製品過剰の中で畜産酪農の危機的状況と農家の窮状を訴え、農家の声を集めて政府に訴える行動に取り組んできたことを紹介。大会ではそのほか合併・組織再編への対策など様々な取り組みが報告されました。(以上「全農協労連」No1306から抜粋)
3月11日、金融労連近畿地協は2023年春闘学習会を開催しました。学習会は、インターネットを使ったZOOMミーティングの形で開催され、関西勤労者教育協会の箕作勝則氏から「常識をうちやぶるたたかいを」をテーマに講演を受けました。講演では23春闘をめぐり➀賃上げについて、②安保3文書改悪など戦争と平和について、③春の統一地方選挙についての3点について解説されました。
➀の賃上げについて箕作氏は「日本以外の先進国は賃金が上がっているのに、なぜ日本だけが上がらないのか」を労働者に質問すると、「大企業が内部留保をため込んでいるから」「政府の政策が悪いから」「原材料価格が高騰して会社も大変だから」という答えが返ってくるが「労働組合がストライキをたたかわないからだ」という答えは返ってこないと指摘。
全労連は今春闘で「労働組合のバージョンアップ」を掲げ、「ストライキでたたかうか、それに匹敵する交渉力を持って挑もう」と呼びかけているが、日本の現状はストライキで闘うというのは「非常識」になっているとして、賃上げを勝ち取るために23春闘では「常識をうちやぶるたたかい」が求められていると訴えました。
さらに、賃金の形態には年功給、職能給など「人を基準とする」賃金と、成果主義賃金やそれに代わって導入されてきた職務給、役割給など「仕事を基準」とする賃金の形態があると説明。しかし、双方ともに本質的には組織に対する貢献度によるものであり、資本主義経済における賃金は労働力の再生産=労働者の生活を維持するものであると解説し、経済学の基礎理論にも触れて、賃上げ実現の重要性を解説しました。
③の地方統一選挙に関連しては、維新の会は「身を切る改革」を進めているというというイメージが支持されているが、大阪市では小学校の統廃合が進められ生野区では19校あった小学校が13校に統合されて、小学校1年生の子供たちが40分歩いて通学しなければならなくなった実態を指摘。その一方で、民営化が進められ高額の父母負担が必要なインターナショナルスクールが、統合で閉校となった校舎に市の助成を受けて開校するなど教育の民営化=格差拡大の維新政治を明らかにし、維新政治の拡大阻止を訴えました。
講演を受けての質疑・意見交流では講演の中で説明された明石市の子育て支援市政について、子育て世代への手厚い助成が人口減少に歯止めをかけ、さらに増加に転じさせ地域商店の出店を増加させるなど、地域経済活性化につながった事例への共感が参加者から出され、地域金融機関として地域の活性化、中小企業支援の重要性が確認されました。また23春闘でいかに要求実現をかち取るかについてアドバイスが求められ箕作氏は自身の生協労組の取り組みを紹介。スト権投票で一昨年まで投票率57%だったのが昨年は要求実現のために高い投票率でスト権を確立しようとしたが67%にとどまったと説明し、今春闘は昨年秋の一時金の時からスト権確立を目指して様々な取り組みを進める中で投票率が85%になった経験を紹介し、経営との対決以前に組合員に訴えていくことの重要性を強調しました。