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○第87回定期全国大会を開催【全損保】

全損保第87回定期全国大会

全損保第87回定期全国大会


 3月15日、全損保は第87回定期全国大会を東京で開催し、2023年春闘方針を確立しました。


「賃上げ必要」が世論となる中での2023春闘

 大会に来賓としてかけつけた全国金融共闘の金子正史事務局長(全証労協議長)が連帯のあいさつを行いました。金子事務局長は、消費者物価が4.3%上昇し、実質賃金は7ヶ月連続の減少であるのに、上場企業の純利益は2022年4~9月期5%増の約20兆円増加。2021年の株主への配当金は30兆円で内部留保は516兆円に達していると指摘。その中で、ユニクロのファーストリテーリングをはじめ多くの企業で賃上げを表明している。歴史的な物価高の中、今春闘は労働組合への期待が高まっている。団結を強めて賃上げを勝ち取っていただきたいと訴え、4月14日(金)に予定している全国金融共闘統一行動での財務省前での宣伝行動、金融庁要請行動への参加を呼びかけました。
 国民春闘共闘の黒澤事務局長(全労連事務局長)は、2023春闘を賃金引き上げが世論になる中での歴史的な春闘だと述べ、今春闘ではストライキでたたかえる労働組合をテーマにして、3月9日の全国統一行動では、国立病院の労働組合(全医労)が全国140カ所の病院でストライキを一斉におこなったと報告。そのうえで、「春闘の風景が変わったと思う」とし、今、世界中で労働者がストライキに立ち上がって賃金の引上げ、インフレからの脱却を訴えていると説明し、そうしたたたかいがなければ、労使対等での賃金の引き上げは難しいとして、今後もたたかいを前進させていきたいと表明。今春闘の後半では皆さんも大きな前進を図れるように共に頑張りたいと呼びかけました。


物価高騰が家計を直撃

 浦上委員長が議案第1号「2023年春闘方針」を提案しました。提案では、世界各国で歴史的な物価高が続き、先行きが混沌とする世界経済について説明し、日本については、大企業の内部留保が過去最高を更新するなかで、急激な物価高騰が家計を直撃し、実質賃金の目減りと、停滞する個人消費の状況、倒産件数が増加するなど国民・労働者の雇用と生活が脅かされ、かつてない将来不安が広がっている状況を明らかにしました。
 そのうえで、「国民が求めているのは、『誰もが景気が良くなった』と実感できる経済体制への転換である」と強調。防衛費増額のための大増税を検討する一方で、求められる医療体制の充実やケア労働者の処遇改善をすすめようとしない政権の姿勢を批判。また、安保関連3文書の改定による「戦争できる国」づくり、改憲動向の強まりなどの危険性を指摘しました。
 同時に、多くの国民が『NO』の意思を示し、市民が『反対』の声をあげて行動が広がっていると強調し「私たちが安心して暮らせる国にするためのせめぎあいが続いていることを確信に、声に出し力を結集してたたかうことで、私たちの明日を手にしていこう」と訴えました。


高まっている賃上げへの期待

 損保情勢では、大手グループが過去最高益であった前年度に比べて減益傾向にある業績動向を説明したうえで、コロナ禍やウクライナ危機の長期化による経済停滞、デジタル化への対応など従来とは次元の異なる課題を経営が抱えているとし、「経営は危機感や焦燥感を一層募らせている」と説明。中小社も巻き込んで損保各社の政策すべてが「収益力の強化」をめざしたものとなり、「合理化・効率化」、労働生産性を追求する動きが強まっていると指摘しました。そして、コロナ禍への対応としてすすめられるテレワークでは、職場、職種によるばらつき、コミュニケーションの不足という課題が明らかになっているとしました。
 また、「早期支払い」を指標に競争が激化する災害対応も含めて、各社政策の歪みや矛盾がすべての損保労働者に押しつけられ、生活と労働条件を脅かし、働くものの誇りと働きがい、産業の社会的役割を喪失させていることを職場の実態から説明し、将来不安がさらに高まっている状況を訴えました。
 一方で、賃金水準の引上げに対する職場の期待と要求が例年以上に高まっているアンケート結果を紹介し、「人が集まることに困難さがある」としたうえで、「全損保には、常に組合員一人ひとりの声と思いを大切にして、困難な事態を乗り越えてきた70年のたたかいがある。その経験と教訓、昨春闘の成果や到達点を力に、2023年春闘もすべての支部・独立分会が賃上げを柱とした要求に固執し、この労働組合に組合員が結集して自らの手で展望をきりひらく春闘にしていこう」と訴え、23年ぶりに要求水準を提示した統一基準案など春闘の具体的な方針を説明しました。


議案審議では23名が活発に発言

 この提案を受けた議案審議では、計23名の中執、代議員、オブザーバーから活発な発言があり、損保の社会的役割発揮とかけ離れた各社政策や、働かされ方の問題点、要員が圧倒的に不足し「歪み」がもたらされる職場の現実、雇用や労働条件に対する不安の高まり、各社政策への疑問や問題意識が出されました。 同時に、労働組合として最も大切にしなければならないのは「人が集まって語り合う」ことであり、そのことを忘れずに企業をこえた組合員のつながりの必要性、「いま賃上げせずしていつするのか」など賃上げをかちとる決意や構えが語られました。
 審議の最後に執行部を代表して及川書記長が討論のまとめをおこない、2023年春闘方針は全員一致で確立されました。
 審議終了後、春闘宣言が採択され、佐藤副委員長の閉会挨拶・団結ガンバローで全国大会を締めくくりました。(全損保ホームページ参照

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