全損保第88回定期全国大会
全損保は9月20日、東京都千代田区で第88回定期全国大会を開催しました。大会は、議長に吉川さん(日新支部)を選任した後、来賓のあいさつを受け、一般経過報告・採決を行った後、議案審議に入りました。
来賓としてかけつけた全労連の黒沢幸一事務局長は、世界で労働組合に対する見方が変わってきている、ストライキで賃金を引き上げ、社会を改善する闘いが相次ぎ、アメリカではハリウッドの俳優が3ヶ月以上ストライキを続けていると紹介し、日本でも西武デパートで雇用を守るためにストライキに立ち上がったと述べました。全労連はたたかう労働組合のバージョンアップを掲げ、22春闘、23春闘でストライキを呼びかけてたたかった。24春闘では必ず実質賃金の引き上げをぜひ皆さんと勝ち取っていきたいと訴えました。
全国金融共闘議の金子正史事務局長(全証労協議長)は、今春闘で、賃上げを多くの企業が表明したが、賃金は最近まで停滞している。一方で、企業の配当金は10年間で3倍に急増していると指摘し、ほとんど最低賃金の低賃金労働者が10年間で倍増し、格差がさらに拡大していると訴えました。
金子事務局長はあいさつの最後に、今期で金融共闘事務局長を退任することを報告し、自身がたたかった日産センチュリー証券争議と、全損保日動外勤支部のたたかい、金融ユニオンのAIGスター生命争議を「金融3争議」としてともにたたかったことを振り返り「全損保の皆さんには、いつもこの場で元気いただいた」と感謝を表明し、ひき続き全国金融共闘への結集を訴えました。
浦上委員長が2024年度運動方針の提案を行いました。提案では、コロナ禍とウクライナ危機によって先行きが混沌とする世界経済について、企業業績や市民生活が影響を受け、先進国と新興国・発展途上国での格差拡大と貧困がもたらされている現実を指摘しました。
日本では、行動制限が緩和され、大企業を中心に景気が回復している、一方で、食料品など物価が高止まりし、実質賃金が16ヵ月連続でマイナスとなり、個人消費が伸び悩んでいると説明。物価上昇に賃金上昇が追いついていないとし、「国民・労働者には景気回復の実感はない」と問題指摘しました。
さらに、中小零細企業の経営はますます厳しくなっているとし「大企業優先の経済政策ではなく、国民の生活を救い、景気の回復が実感できる経済政策が求められている」と訴えました。
損保情勢では、全社的に減益となり保険料の引き上げで消費者へ負担を強いていると説明。危機感を強める損保経営の顧客囲い込み、マーケットシェアの競い合い、労働生産性の向上と収益力の強化を追求する大手経営の施策にふれ、「中小社も巻き込まれ、損保各社の政策すべてが収益力の強化をめざしたものとなっている」としました。
そのうえで、「収益第一が、『共同保険』のしくみを使った企業保険での事前保険料調整であり、BIGモーターにかかわる一連の問題の原因」とし、2005年に生じた「保険料の一部不払い、保険料取り過ぎ問題」と共通する問題点を指摘。
「損保産業の信頼を損なう重大な問題であり、損保の社会公共性に照らして反省し、改善していくことで消費者の信頼を取り戻さなければならない」と指摘しました。
2023年度の運動については、リモートによる「地域組合員との意見交換会」を発展させ、リアルに地域の組合員が「集まって語り合う」場の開催など、具体的な運動を紹介し「工夫し協力し合えば運動を前進させることができる確信を持つことができた1年となった」と振り返りました。最後に、「次年度も人が集まって語り合う場の大切さをいつも忘れず、みんなで協力し合いながら運動を前進させていこう」と運動の前進を呼びかけました。
その後の審議では、計20名が発言しました。発言は、各社政策の問題点や矛盾、テレワークによってコミュニケーションが不足し期中退職者が増加する実情など、職場の歪みや矛盾、被害が報告されるとともに、納得のもてる到達点を築いた2023年春闘、平和のとりくみや「集まり語り合う」場の大切さと全損保が持つ良さと役割の重要性が語られ、運動の前進面を確認し合い、あらためて企業や職場の違いをこえて「集まり、話し合い、励まし合える」全損保の大切さが確認されました。
大会は2024年度運動方針以下すべての議案を全会一致で確立し、新年度役員を選出し、新たな年度の運動をスタートしました。全損保ホームページ参照
2024年度 全損保役員
中央執行委員長 | 浦上 義人 | 全損保本部 |
中央副執行委員長 | 佐藤 洋一 | 損保ジャパン |
中央副執行委員長 | 中島 美智子 | 日本興亜 |
書記長 | 及川 肇 | 日動外勤 |
副書記長 | 川崎 晃平 | 楽天損保 |