12月1日、東京金融共闘は第45回総会を開催しました。総会には全損保、金融労連関東地協、中央労金労組、全証労協、東京信用保証協会職組が参加し会計報告を確認し次年度方針を討議・決定。加盟組合の職場状況・取り組みを報告し交流しました。
総会では、来賓としてかけつけた全国金融共闘の浦上議長があいさつをして11月23日に金融庁に対して行った全国金融共闘の要請について説明。金融機関の経営者は「お客様第一」と言うが収益力強化を優先し徹底的に要員削減を行っている。職場で働いている労働者は人々のためにとか理想をもって会社や銀行に就職しても、仕事の現実はそうなっていない。要員不足の中で、とにかく数字を追いかけさせられ、疑問を持ちながら働いているのではないか。特に若い人はテレワークが広がっていることもあって、顧客対応でわからないことがあっても先輩や上司に相談することもできない。そういうことが、中途退職者が増えている要因になっているのではないか。以上のように指摘して、浦上議長は、金融庁は「顧客本位の良質な金融サービスの提供というが現実はそうなっていない」と訴えたことを明らかにしました。
また、損保産業で大きな問題となっているビッグモーター関連問題と共同保険の問題についても説明し、金融に働く労働者の労働組合がそれぞれの金融業態や職場で生じている問題を情報交換し交流し合うことの重要性を訴えました。
総会では参加した各労働組合から、それぞれの組合の直面している問題と取り組みが報告されました。
金融労連関東地協は10月に、泊まり込みの定期大会を5年ぶりに開催。春闘では金融労連中央委員会の春闘方針を受けて、2月に関東地協の統一要求日と回答指定日、統一要求事項を決定。今春闘では物価上昇を受けて初任給の引上げ、インフレ手当等の回答を引き出しました。賃上げを粘り強く要求してきた結果であり、夏期臨給についても物価高騰に歯止めがかからない中で各単組が連携して全体の底上げにつながるたたかいを展開することができたと報告しました。
Kフィナンシャルグループ労組からは、現在の職場状況について初任給が5万円引き上げられる一方で、店舗の統廃合が進み一人の支店長が4店舗、5店舗を担当しているなどリストラの実態や、横浜銀行に完全子会社化された神奈川銀行について、これまでの銀行再編の経験から注視していくことが必要との意見が出されました。
全証労協からはこれまで議長だった金子正史さんが退任し、名古屋証券取引所労組の小池哲さんが議長に就任したこと、東京地区共闘会議が来年3月に解散の方向で協議されていることを報告。東洋証券労組からも解散が報告されました。同労組は昭和58年(1983年)に土浦支店の4名の有志により労組結成準備会が誕生し労組を結成。全証労協に加盟し、300名を超える組合に拡大しますが、会社は第2組合を組織するなどの攻撃を加え、組合員の定年退職により解散を決定しました。
全国の労金各労組で定年を65歳まで延長する労使交渉を進めています。2025年4月実施を目指し人事制度、退職金制度の改定等を交渉しています。中央労金労組として若年層の退職に歯止めがかからないことに危機感を抱いています。労金の理念に理想を抱いて入ってきて、入ってみるとお客様第一と言いながら現実は違うという声が出ています。若手が前を向いて働いていける労金を目指すことが大きな課題です。そういう課題を皆さんと共有していきたいです。
全損保は東京海上と日動火災の合併に伴い外勤社員制度廃止問題が発生した際に外勤社員の雇用確保に取り組み、東京金融共闘からも大きな支援を受けました。損保の最近の職場は在宅勤務が週に何回かあり、職場に出てきても自分のデスクがない。会議もリモートで行われ会って会話することが少ない。そうした中で、離職者が出てきています。全損保地域協働会東京では毎月1回だれでも参加できる会議を開催し、職場実態の交換やサマージャンボリー、ボウリング大会などの企画も検討しています。
信用保証協会は、新型コロナウイルス感染症の流行拡大以降、中小企業者に対する金融施策に取り組み金融機関や関係機関との連携を強化することで、経営面の支援にも取り組んできました。今年度は新型コロナウイルス流行時の借入の借り換えを対象とした低保証料率の保証の提供など中小企業の金融円滑化を図っています。今春闘で若手職員を中心としたベースアップの回答を得たものの要求通りの回答は得られませんでした。粘り強く交渉を重ねたが、修正回答引き出すには至らなかった。労働条件の維持向上を図ることを目指し、日々活動して行く決意です。
東京金融共闘第45回総会では、議長に井出敏之さん(全損保)、事務局長に中島純一さん(金融労連関東地協)を選出し活動方針を確認して閉会しました。