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○第89回定期全国大会を開催【全損保】

全損保第89回定期全国大会

全損保第89回定期全国大会


2024年春闘方針を全員一致で確立

 3月13日、全損保第89回定期全国大会を東京(エデュカス東京)において開催しました。



「人が集まって語り合うこと」の大切さを忘れず
団結を強化し、物価高を払拭し生活改善をはかる
賃金引上げをかちとる

 大会は、西田常任中執(賃対部長)の開会のあいさつにはじまり、水野代議員(楽天損保支部)を議長に選出した後、来賓として国民春闘共闘の小畑代表幹事他から挨拶を受けました。
 小畑代表幹事は、あいさつの中で、国民春闘共闘は、24春闘を賃金が下がり続ける国から上がる国への転換を求める春闘と位置づけ、納得できない回答にはストライキを構えるなど交渉力を高め、仲間の力で要求を実現する「闘う労働組合のバージョンアップ第二幕」を実践してきたと説明。
 大企業は内部留保を増やし続け、働く者の実質賃金は昨年20数年来の賃上げを勝ち取ったけれども、物価高騰で実質賃金は減り続け2023年には前年度比マイナス2.5%と過去最低になったと指摘。JMITUの金属労働者の仲間が第一波の統一行動で昨年同期を上回る回答を引き出したが、物価上昇には届かないとして、60を超える職場でストライキを行ったと報告されている。賃金底上げを勝ち取る春闘をたたかって、私たち自身の力で変えていける。そういう実感をつかむ春闘にしていくことが、今、求められている。共に頑張りましょうと訴えました。



不祥事と業務改善命令は収益最優先の結果

 浦上委員長が議案第1号「2024春闘方針」を提案しました。浦上委員長は冒頭、能登半島地震犠牲者へ哀悼の意を表明し、大規模災害における損保産業の役割の重要性を強調しました。また、ウクライナ危機や中東ガザ地区での戦闘が世界各国で物価高を招き、金利上昇、為替・株式市場の不安定さ、景気後退リスクの高まりなどによって先行きが混沌とする世界経済について説明。
 日本については、大企業の内部留保が過去最高を更新する一方で、物価高騰が家計を直撃し、下がり続ける実質賃金、中小企業の倒産件数急増など国民・労働者の将来不安が広がる状況を明らかにしました。
 春闘情勢については、「経団連や大企業の経営者も賃上げに意欲を見せているが、『定昇・手当込み』などとしており、どの程度の賃上げになるかは不透明だ」とし、経営の出方への注視が必要だと訴えました。
 損保では、大手グループが過去最高益を見通すが、これまでの懸念要因に加え、従来とは次元の異なる経営課題を抱え、中小社も巻き込んで「収益力の強化」、労働生産性を追求する動きが強まっていると指摘。こうした収益最優先の政策が、大手4社による「保険料調整」問題と、ビッグモーター社による「保険金不正請求」の一連の不祥事につながったとし、「問題の本質を解決して社会からの信頼を取り戻さなければならない」と強調しました。



賃上げへの期待は例年以上に大きい

 そして、物価高で厳しい生活を強いられるなか、賃金水準の引上げに対する職場の期待と要求が例年以上に高まっているアンケート結果を紹介し、2024年春闘は、「集まって語り合う」ことの大切さを忘れず、職場の声や思いを土台として「すべての支部・独立分会が賃上げを柱とした要求に固執し、この労働組合に組合員が結集して自らの手で展望をきりひらく春闘にしていこう」と訴え、昨春闘に引続き要求水準を提示した統一基準案など春闘の具体的な方針を説明しました。
 提案を受けた議案審議では、計19名の中執、代議員、オブザーバーから活発な発言があり、「保険料調整」、「保険金不正請求」など損保の社会的役割発揮とかけ離れた各社の政策や働かされ方の問題点、要員が圧倒的に不足し「歪み」がもたらされる職場の現実、雇用や労働条件に対する不安の高まりなど、職場に生じている疑問や問題意識が出されました。



業界のゆがみを正し、誇りを取り戻す春闘にしたい

 業務改善命令について代議員からは、「業務改善命令がありCEOをはじめ役員の処分が行われた。調査委員会の報告や業務改善命令では『顧客の利益より自社の営業成績、利益に価値を置く企業文化が真の原因だ』としている。私たちは数十年にわたって、会社の政策の問題点を指摘してきた。今回、行政処分という形でその主張の正しさが証明された。全損保70年のたたかいの正しさが証明されたと思っている。今春闘で引き続きそうした歪みを改善し、本当に誇りを取り戻す春闘としたたかっていきたい」という発言も出されています。
 さらに、労働組合として最も大切にしなければならないのは「人が集まって語り合うこと」であり、企業をこえた組合員のつながりの必要性、「いま賃上げせずしていつするのか」など大幅な賃上げをかちとる決意や構えが語られました。
 審議の最後に執行部を代表して及川書記長が討論のまとめをおこない、2024年春闘方針は全員一致で確立されました。審議終了後、春闘宣言が採択され、佐藤副委員長の閉会挨拶・団結ガンバローで全国大会を閉会しました。



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