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○第19回定期全国大会開催【金融労連】

金融労連第19回定期全国大会

金融労連第19回定期全国大会

 9月14日(土)、15日(日)、金融労連は東京千代田区で第19回定期全国大会を開催。2025年度運動方針を決定し、新執行部を選出しました。


労働基準法の改悪を阻止

 大会では、冒頭中島康隆委員長があいさつをして、ロシアのウクライナ侵攻、イスラエルによるガザ侵攻で女性や子どもが多数犠牲になっているが解決のめどが立たず、さらに他地域に広がりかねないと懸念を表明。気候変動や自然災害が頻発し個人では対応できない問題だと指摘。実質賃金が下がり続け物価上昇が続く一方で、企業倒産が増加し、特に個人事業主と資本金1000万円未満の零細企業の倒産が増加していると指摘。地域が疲弊する中で、地域で生きている人々を支援していくのが地域金融機関の役割ではないかと提起しました。
 また、中島委員長は労働基準法が、1日の労働時間を8時間としている規制を、労使の合意で8時間を超えて働かせる改悪の動きがあると紹介し阻止する取り組みを訴え、最後に来年、金融労連は20回目の定期大会を迎えるとし、1年間これだけ頑張ったと言える1年にしていこうと呼びかけました。


最低賃金引き上げの「徳島ショック」
社会的賃金闘争の成果

 来賓の全労連竹下武事務局次長は、最低賃金の今年の改定について、中央審議会が引き上げの目安を50円としたが、徳島県の審議会が34円上乗せして84円とした「徳島ショック」を紹介。県知事が積極的に最低賃金引き上げを迫った背景に最低賃金が据え置かれると、若者が県外に流出してしまう危機感があると説明。全国で最低賃金1700円が必要と進めてきた労働組合の社会的賃金闘争の成果であり、最低賃金引き上げに消極的だった地方自治体が変化してきていることを明らかにしました。
 労働基準法改悪について、厚労省の研究会が、労使合意があれば労働時間の規制を適用除外にする議論が進められているとし労働基準法改悪大反対の声を上げ、職場のたたかいと組織拡大で対抗していくことを訴えました。
 宮本徹衆議院議員(日本共産党)は、ジェンダー平等が大きな問題になっていると指摘。とりわけ金融機関の男女賃金格差が大きく、コース別人事制度が間接差別だと批判されている。企業内の男女賃金格差の公表が義務づけられたのは運動の成果だと強調。「ひとり一人の声が政治を動かす。皆さんと一緒に頑張っていきたい」とあいさつしました。
 東京法律事務所の金井克人弁護士は、自民党の総裁選挙で小泉進次郎氏が解雇規制の緩和を公言したことに関連して、解雇の金銭解決の動きが問題だと述べ、闘争課題に明記していただきたいと訴え、総裁選候補者がそろって憲法改悪を公言していることに警戒感を持つことを訴えました。


様々な「歪み」に金融労働者の団結で対抗

 全国金融共闘の浦上義人議長(全損保委員長)は、金融行政が地域金融機関の再編をすすめ、公務サービスの肩代わりと成長戦略への貢献を各金融機関に求めていると指摘。その結果、金融の本来の社会的役割が喪失させられていると批判。金融機関大手グループは海外でのM&Aや、国内のAI活用などで効率化をはかっているが、中小金融機関は店舗の再編・統合、ATMの集約で人件費、物件費を削る政策を進め、「顧客・消費者不在」となっている。このような経営姿勢が、金融機関に働く仲間の生活や雇用、労働条件を歪め、働き甲斐の喪失と将来不安を高めていると説明。様々な「歪み」がふりまかれる今だからこそ、金融労働者が団結し、金融のあり方、経済のあり方を問い続け、金融共闘に団結し共に闘っていこうと呼びかけました。


マイナス金利政策をしっかり総括すべき

 大会では、2024年度活動の総括、2025年度運動方針を一括して上田直也書記次長が提案。自民党の巨額裏金問題について「国民が物価高騰に苦しんでいるときに、裏金作りに奔走していては国民の生活が豊かになる政策ができるはずがない」と批判。また岸田政権が日本を戦争できる国家にしようとし、防衛費を2倍にしようとしていることを批判。防衛費の増額分を医療費などに回せば国民を豊かにすることができると訴えました。
 日銀のマイナス金利政策は解除されたが、マイナス金利政策をしっかり総括してから出口戦略を示すべきと述べました。5大銀行グループが最高益を更新する一方で、上場地銀の7割も最終増益となっているが、地域銀行の利益は直近のピーク時の2016年に及んでいないと説明。国際業務を行う大手行と国内業務中心の地域銀行で差が出ていることを指摘。
 金利の動きについて日銀は政策金利年内追加利上げを否定していないが、地域経済は回復していない中で中小企業の業績も良くなっているとは言えない。地域経済を見ながら今後の政策金利の動向を注視していくべきと述べました。
 生活と職場状況について、物価高騰で賃上げを実施する金融機関が相次いだが、人材確保のための若年層中心の賃上げで、物価高騰で生活が苦しいのは若手だけのことではないとし、全体としての賃上げを訴え、職場で離職が後を絶たないとして、安心して働くためにはノルマの廃止、過度な業務負担の軽減、職場環境の改善を図る必要があると提起しました。


育児短時間勤務制度拡充の取り組みなど 職場の取り組み

  提案を受けた討論では、

  • ・臨給の回答を組合員の本音を出し合うディスカッションで協議し、3次回答で組合として、妥結できる回答を受けた。
  • ・育児短時間勤務制度拡充に取り組む中で女性の働き続けたい思いを痛感した。
  • ・会議に参加できない組合員でも職場で要求を出すことが組合活動への参加だと確認した。
  • ・手当を増額しても、職員の退職に歯止めがかからない。人員不足と業務多忙が原因だ。

など職場の具体的な問題と取り組みが報告されました。

 大会はすべての議案を満場一致で可決し新年度役員を選出しました。



2025年度 金融労連役員

中央執行委員長 中島  康隆 滋賀銀行従組
中央副執行委員長 佐藤  一枝 北海道金融労組
中央副執行委員長 舟田   靖 さわやか信金従組
中央副執行委員長 長谷川 清志 米子信金従組
書記長 上田  直也 神奈川銀行従組
書記次長 笹本  健治 本部書記局

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