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○第8回定期大会を開催【金融労連関東地協】

金融労連関東地協第8回定期大会

金融労連関東地協第8回定期大会

 金融労連関東地協は、10月19日~20日静岡県伊東市で第8回定期大会を開催。2025年度運動方針を決定し新執行部を選出しました。
 大会では、戸田隆三さん(関東金融労組)を議長に選出し、倉澤友輔議長(さわやか信金従組)が主催者あいさつを行いました。あいさつの中で倉澤議長は、金融をめぐる情勢について金利引き上げが金融の職場にどのような影響を及ぼすかに言及。



「金利のある」時代への政策転換から労働者を守ろう

 長期にわたる超低金利のもとで金融機関は、一方で徹底した人減らし=リストラを進め、他方で金融商品販売による手数料確保に注力し、預金の確保は追及されなかった。しかし、日本銀行が利上げの方向を示して以降、金融機関経営者は預金獲得を追及し始めている。
 現在金融機関の経営トップや経営方針を決定する階層は「金利のある」時代に、預金獲得を追及した世代だが、今の金融の職場はリストラが徹底された状態にある。職場の実情を無視した方針の転換は労働者に大きな負担を与えかねない。
 以上のように指摘して倉澤議長は利上げに対応した金融機関経営への動きへの警戒を訴えました。


労働組合もDEIを追及すべし

 また、倉澤議長は産業界で取り組まれているDEI(ダイバーシティ=多様性、エクイティ=公正性、インクルージョン=包括性)実現を労働組合としても取り組むべきと提起。さわやか信金従組の育児短時間勤務制度拡充の要求では、労働組合の会議にも参加できない育児中の女性の切実な訴えを、従組が受け止め、「制度が今のままでは働き続けられない」という女性自身が切実な声をとりあげアンケートなどに取り組み、同じ切実な困難に直面している労働者の行動力が従組執行部を大きく励まし要求が前進した。労働組合の会議に参加できない労働者をも要求実現に取り組むことでDEI追及が労働組合の要求前進をも支えると述べ、本当に良い職場を目指していい職場にするためには、こうすればいいのだという議論をしていこうと呼びかけました。


東京地評矢吹義則議長があいさつ

 金融労連本部の舟田靖副委員長(さわやか信金従組)が来賓としてあいさつし、信用金庫業態で午後に支店の窓口を閉じる「午後休業」を導入する動きを紹介。今後注視していきたいと述べました。来賓の東京地評の矢吹義則議長は大企業では5%の賃上げなどが報じれれているが、労働者の70%を占める中小企業労働者には及んでいないとし、JMITU(日本金属製造情報通信労働組合)などストライキで1万円以上の賃上げを勝ち取った事例も紹介。厚生労働省の労働基準法研究会で「労使自治」の名の下で労働基準法を解体する動きがあると訴えました。


地域経済の発展に貢献する地域金融を目指そう

 2025年度運動方針を上田直也事務局長(神奈川銀行従組)が提案しました。上田事務局長は、金融をめぐる情勢について大手行、地域銀行、信用金庫ともに当期純利益が増益となり、コア業務純益では大手行は非資金利益の増加が、地域銀行、信用金庫では資金利益の増加が主な要因となって増益となったと説明。
 また、今年は日本の金融政策が転換した年になったとして日銀の金融政策が、金利引き上げへの転換したことを挙げました。そして、それに伴う株式市場の大暴落など、大きな混乱を招いたとして日銀が市場と会話ができていないと批判しました。
 賃上げについては、賃金を引き上げる企業は多数あったが、実質賃金は上がっていない。最低賃金も引き上げられたが、国民の生活は豊かになっていないとし、扶養家族としてパートで働く労働者家族は、時間給が引き上げられても『年収の壁』を超えると手取り収入が減ってしまうとして、制度全体の見直しが求められると指摘しました。 平和をめぐる情勢について、石破首相の提起したアジア版NATO構想についてアメリカとの核共有や核の持ち込みも具体的に検討せねばならないといっているが、「核共有」や「核持ち込み」が具体的に何を意味するのかは不明確であり警戒すべきと訴えました。
 金融の民主化の課題について、金融機関の経営者が企業の生き残りをかけて労働者を犠牲にする経営方針に反対し、労働者の生活と権利を守る。地域金融機関として地域の発展に貢献するため、顧客の利便性の悪化を伴う合併・経営統合に反対すると提案。労働組合の立場から各金融機関を民主的に発展させるための要求や提言を積極的に行うとし、関東地協全体で政策面での学習強化に努め、組合員のスキルアップに取り組みたいと訴えました。


職場の課題など議論

 討論では、10月3日~4日、金沢で行われた金融労連女性の集いについて報告があり、今回は会場の都合でゲームの後に分散会を行ったが、それが功を奏し始めて同士の参加者の親近感を深めることができた。実際に集まり直接会話することが大切で今後に活かしたいなど報告されました。
 さわやか信金従組からは、100周年をむかえる企画として様々な指示が来ているが、人手不足の中で働く現場職員にとって負担となっている。臨給回答が前年を下回るようでは盛り上がらない。100周年を盛り上げる回答を目指したいと発言。神奈川銀行従組からは横浜銀行による神奈川銀行に対するTOB(株式公開買い付け)の情報が銀行経営から説明される以前にヤフーニュースなどで伝わり、行員や顧客に混乱が広がったこと、神奈川銀行に働くものや顧客にとってのメリットが感じられないなど発言がありました。
 定期大会は全議案を満場一致賛成で可決し、新年度執行部を選出しました。



金融労連関東地協2025年度役員

議長 倉澤 友輔 さわやか信金従組
副議長 吉田 和典 東京きらぼしFG労組
事務局長 上田 直也 神奈川銀行従組
事務局次長 小俣 拓実 さわやか信金従組

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