全農協労連第127回定期大会
賃上げ、労使対等、仲間作り
経験を語り激励し合う
7月19日~20日、全農協労連は第127回定期大会を開催し、新年度の運動方針と役員体制を決定しました。
信川幸之助中央執行委員長は開会あいさつで、昨年夏以降のコメ不足に対する批判が農協系統に向けられてきたことに触れ、そもそもは米農家が生産し続けられない米価を国が放置したために農家が減少し、政府が責任を放棄したことが問題だと指摘しました。
また、春闘では多くの単組が前進局面を作り出してきたこと、組織強化でも単組・地本での具体的な取り組みが進められ、新たな仲間が全農協労連に加わったことを、みんなで喜び、運動の確信にしようと呼びかけました。
来賓として国民春闘共闘委員会・全労連の黒澤幸一事務局長があいさつし、今春闘はストライキ権の確立、スト実施といった戦術行使や粘り強い交渉で高水準の賃上げ回答を引き出す中、要求への確信や労組への結集が高まっているとし、労働組合がたたかわなければ賃金は上がらないと強調。また米の価格について、米が高いのではなく労働者の賃金が低いことが問題だと訴えました。
新加入組合に組合旗贈呈
春闘総括、運動方針を提案した舘野豊書記長は、春闘で昨年を超える前進回答を引き出したことについて、労働組合が要求し交渉したからこそ引き出せた結果だと総括しました。また労働条件決定に際しての労使協議・合意の原則を貫く実践や、農協合併後の単組や地本での継続的な組織拡大の取り組みは産別の大きな成果だと強調。これは全国の仲間と作り上げたものであり、2025年度も新たな仲間を増やして要求実現の力を大きくしていこうと提起しました。大会はすべての議案を可決し、「農産物の適正な価格転嫁と安定供給に向けて農協の役割発揮を目指そう」の特別決議を採択しました。また、2024年度に新しく加入した「あかし農協労組」に組合旗を贈呈しました。
代議員討論から
13農協が合併し定期的に労使協議会開催
大会では、代議員から職場でのたたかい・取り組みが報告されました。
- ・大卒初任給は大幅に上がったけれど、40代主任クラス号俸が上限に近い層は上がり幅が少ない。県内の未加入の職員組合に声かけをして組織拡大をしていきたい(静岡・単)
- ・宮崎県では昨年13農協が合併し、今年4月からは、連合会や45の子会社が合併した。その中で、労働組合があるのは3地区のみとなっている。そのなかで、全農協労連の甲斐珠企副委員長を中心に、定期的に労使協議会を開くことになった。(日向)
- ・2026年県域農協発足に向け議論されていたが、複数農協の理事会で予備調印が否決され白紙となり、今後は不透明。毎年中堅、若手が退職し慢性的に人手不足。昨年、秋年末闘争で高卒採用や中途採用含めた幅広い採用、退職者のカムバック制度、内定辞退者優先枠などを要求したが、回答はなかった。就業規則変更について理事会承認後に組合へ説明されることに、経営と組合は対等の立場であり、あらかじめ情報提供することを訴えている。(熊本・経)
- ・就業規則変更が理事会可決後に労働組合へ持ちかけられる。葬祭部門の手当が引き上げられたが、先に理事会に諮って最後に労組に提案された。労使対等がないがしろにされている。同じ経験をされている皆さんの経験を糧にしていきたい。(茨城・単)
- ・春闘で要求書提出し団体交渉を調整中にベアが実施された。夏期一時金の交渉でも一方的に支給日を決定され、経営者から労組員にアンケート調査する不当介入があり全農協労連の支援で改善目指す。(延岡)
合併を機に新労組結成 全農協労連加盟
- ・和歌山農労連は2012年から県内未加入労組に呼びかけ学習交流会開催してきた。6年前に県一農協構想が発表され、新農協の労働条件決定に向けての団交や、新労組結成に向けての協議を行ってきた。昨年7月、合併協議会に労組連絡会を交渉相手と認めるよう申し入れ9月に要求書を提出。団交で労働時間、賃金体系を交渉し、連絡会で労組の運営、規約などについて協議してきた。未加入労組、未組織職場に労組説明会を行い新労組への結集を呼びかけた。今年4月、新農協へ合併したが労働条件がバラバラで、就業規則も決まっていない。6月7日に新労組結成大会を行い、全農協労連加入の承認も下りた。今後加入していない2労組にも呼びかけ取り組む。(和歌山)
(以上「全農協労連」2025年8月1日号から)
2025年度 全農協労連役員
中央執行委員長 |
信川 幸之助 |
千葉農業労連 |
中央副執行委員長 |
九村 信吾 |
北海道農協労連 |
中央副執行委員長 |
甲斐 珠企 |
延岡農協労組 |
書記長 |
舘野 豊 |
岩手県農協労組 |
書記次長 |
星野 慧 |
全農協労連書記会 |
財政部長 |
二瓶 繭子 |
山形県農協労 |