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泊まり込み幹事会と学習交流会開催 【金融共闘】

金融の仲間の学習交流会

金融の仲間の学習交流会


国際秩序を破壊するトランプ大統領

 6月21日~22日、全国金融共闘は群馬県安中市磯部で泊まり込み幹事会と「金融のなかまの学習交流会」を開催し、横浜国立大学の萩原伸次郎名誉教授から「ベネズエラ・イラン侵攻とトランプ政権」をテーマに講演を受け交流しました。

 萩原先生は冒頭、「トランプ大統領による『ドンロー主義』は、世界をどこに導くか」について解説。「ドンロー主義」というのは、1823年にアメリカのモンロー大統領が宣言したカナダ、アメリカ、中南米の西半球への、ヨーロッパ諸国その他からの干渉を排除する政策「モンロー主義」をトランプ大統領はもじって「ドンロー主義」と名付け、同地域におけるアメリカの支配を主張し、ベネズエラのマドゥロ大統領夫妻の拉致、キューバに対する海上封鎖その他を強行しています。
 萩原先生はトランプ大統領によるこうした他国への攻撃は国連憲章に違反し、第2次世界大戦後に確立されてきた国際秩序を破壊するものと批判。国連憲章は一方的に攻撃を受けた場合にのみ軍事的に反撃することを認めているが、マドゥロ大統領夫妻の拉致、キューバの海上封鎖、イスラエルと連携してのイランへの攻撃はこれに該当せず国連憲章に違反していること、NATO(北大西洋条約機構)諸国もトランプ政権に対して警戒を強めていることを指摘しました。


何のためにイランを攻撃したのか

 また、イランに対する攻撃がイスラエルのネタニアフ首相自身の権力維持のための軍事攻撃である側面を指摘しつつ、なぜトランプ大統領が連携してイラン攻撃に踏み切ったのかを説明。トランプ大統領の目玉政策=他国に対して高関税を課す相互関税政策を米国最高裁が違憲と判断したこと、同じく目玉政策として強行してきた移民強制排除が、ミネソタ州で相次いで発生したICE(移民・関税執行局)など政府職員による米国市民射殺事件を契機として、人権無視の強権政策への批判が急速に広がったことを紹介。ミネソタ州の市民射殺が今年の1月、最高裁が相互関税を違憲としたのが2月20日で、イラン攻撃に踏み切ったのが2月28日であると時系列でその関連性を指摘しました。


一般市民・社会的弱者切り捨ての極端な新自由主義

 次に「失敗続きの第2期トランプ政権の政治経済政策」について解説。トランプ政策の基本は、新自由主義政策であるとし、新自由主義はとにかく政府の規模を小さくし公的セクターを縮小して、規制を緩和することが土台にあると説明。そして、大減税を強調するが、結局は富裕層優遇の減税政策であり、減税と同時に様々な政府の部署を切り捨てる政策として、教育省、環境保護省、金融を安定化させる省庁とかを次々と切っていると説明しました。
 その中でも大きな出来事は、国際開発庁(USAID)の廃止だとし、1960年代にケネディ政権が創設した国際開発庁はアフリカやアジア諸国に資金援助を行い、例えばエイズが蔓延したアフリカでエイズを防ぐ薬を提供してきたが、今回の廃止で数10万人が生命の危険にさらされると訴えました。そのうえで最大の問題として、保険会社の抵抗で日本のような国民皆保険ではなかった医療保険を、オバマ政権が大きく改善した「オバマケア」をトランプ第1期政権の時に骨抜きにした事を紹介し、トランプ政権の姿勢が一般市民や社会的弱者切り捨てであることを明らかにしました。


急拡大するアメリカ民主的社会主義者(DSA)

 萩原先生は、こうした新自由主義政策の下で広がっている新たな動きとして、バーニー・サンダース上院議員とアメリカ民主的社会主義者(DSA)の活躍を紹介しました。2016年の民主党の大統領候補者を選ぶ予備選挙でバーニー・サンダース氏は、対立候補のヒラリー・クリントン氏相手に善戦して注目されました。最終的に共和党のトランプ氏が大統領に選出されますが(第1期トランプ政権)、この時期からアメリカ民主的社会主義者(DSA)はメンバーと影響力を急速に拡大します。2024年の大統領選挙で民主党は候補者をバイデン大統領からカマラ・ハリス副大統領に引きつぎますが、トランプ氏に敗れます。この時の敗因について、萩原先生はイスラエルによるパレスチナのガザ地区のジェノサイド(大量殺戮)をバイデン・ハリス両氏が容認し、それに対して民主党支持者からの反発があったことを指摘しました。
 バーニー・サンダース氏やアメリカ民主的社会主義者の影響力拡大をもたらしているのは、富裕層優遇、弱者切り捨て・格差拡大の新自由主義政策への市民の怒りであると強調。昨年11月にニューヨーク市長選挙で民主的社会主義者を公言するゾーラン・マムダニ氏が圧勝し、シアトル市長選で「労働者や貧困層のための市政」を標榜する女性が市長に選出され、最近のワシントンDCの市長選挙の予備選挙(6月16日)で民主的社会主義者を公言する女性が圧倒的な支持で市長候補に選ばれていることを紹介しました。
 このように第2次大戦後の国際秩序を破壊し、極端な新自由主義政策を強行するトランプ政権の行き詰まりと、これに対抗する市民と社会的弱者優先、人間性と公共性を取り戻す流れが急速に拡大していることを明らかにしました。



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