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○第90回定期全国大会開催【全損保】

全損保らしさをいかし 働く仲間の声と思いにたって 運動をすすめよう
全損保第90回定期全国大会

全損保第90回定期全国大会

業界の問題をただすのは労働組合の役割だ

 9月18日、全損保は東京都千代田区で、全損保第90回定期全国大会を開催しました。
 大会は、議長に米沢谷さん(日動外勤)を選任した後、来賓から連帯のあいさつを受けました。全労連の秋山正臣議長はあいさつの中で「24春闘では大幅な賃上げを実現し、最低賃金の引き上げでも前進を勝ち取った」と確認。しかし「競争主義・成果主義賃金によって賃金の個別化が進み、中高年層には賃上げがほとんどない。賃金が成績によって決まっていくと、競争のために不正を生んでしまう。損保業界で起きた問題も、そうしたことが影響しているのではないか」と指摘。「業界の問題を正していくのは労働組合だ」として「対話を強め問題を解決する労働組合運動をともに作り上げていきたい」と訴えました。
 全国金融共闘からは全農協労連の信川幸之助委員長があいさつをしました。信川委員長は、今店頭でコメが買えないと報道され価格が高騰している。農水省はコメ不足の理由を災害による作付面積の減少やインバウンド需要の増加と説明しているが本質は違うと指摘。長年にわたりコメの生産を抑制し、さらに22年度、23年度には10万㌧もの減産を農家に要請したように、根本的にはコメの生産を市場経済に委ね、「コメつくって飯がくえない」状況にして、コメ農家が減少し続けていることが真の原因だと説明。政府は「新米が出回れば落ち着く」と農政を見直そうとしていないと批判。他方で、防衛関連予算を大幅に増大させ「戦争ができる国づくり」へと急速に傾斜しているとし、「こうした政治をストップさせるためにも、労働組合での団結、共闘する仲間との強い連帯がこれまで以上に求められています」と訴えました。


人間を大切にする経済政策を

 2025年度運動方針の提案を、浦上委員長が行いました。提案では、日本経済について大企業を中心に景気が回復している一方で、国民・労働者の暮らしが圧迫され個人消費が伸び悩んでいる状況を説明。「企業利益は過去最大と言われても、国民・労働者には景気回復の実感はない」と問題指摘。また「中小零細企業の経営はますます厳しくなっている」とし「大企業優先の経済政策ではなく、物価上昇で苦しむ国民の生活を救い、人間を大切にする経済政策が求められている」と訴えました。
 そして、岸田政権のすすめてきた政治は「自民党の裏金問題」の真相を解明せず、防衛費を増強する一方で、医療体制の整備やケア労働者の処遇改善を行わず国民の不安に応えない政治だと批判し、改憲動向を強め平和と民主主義を破壊する動きが強まっていることへの警戒を呼びかけました。同時に、多くの市民がそうした政治への「反対」の声をあげ行動が広がっていることを紹介し、自らの声と力を強めていく必要性を強調しました。


産業の健全性を取り戻し、信頼を取り戻そう

 損保情勢では、全社的に本業の業績が低迷する一方で、政策株式の売却がすすめられ大手グループの純利益が過去最高となったが、保険料の引き上げによって消費者へ負担を強いていると説明。損保経営は、金融庁の指導もあって、マーケットシェアを重視した政策の見直しが迫られているが、その中でも業務の効率化による労働生産性の向上と収益力の強化を追求していると指摘し、「中小社も競争に巻き込まれ、損保各社の政策すべてが収益力の強化をめざしたものとなっている」としました。
 そして、「収益力の強化」をめざし自社利益を優先した政策が、「保険料の事前調整」問題やBIGモーターにかかわる問題、情報漏洩問題を引き起こしたとし、「産業の健全性を取り戻し信頼を取り戻さなければならない」と指摘しました。
 また、テレワークについて、職場、職種による対応のばらつきや人間関係の不足などから期中退職者の増加などの問題を引き起こしていると説明し、「『生産性の観点』ではなく、職場の声を大切に、働きやすい職場を求めてとりくんでいく必要がある」と訴えました。
 2024年度の運動については、リモートによる「地域組合員との意見交換会」を発展させ、リアルに地域で「集まって語り合う」場の開催など、全体の協力と工夫ですすめた具体的な運動を紹介し「コロナ禍を乗り越え、全体で工夫し協力し合って運動をすすめた1年となった」と振り返りました。最後に、「次年度も人が集まって語り合う場の大切さをいつも忘れず、みんなで協力し合いながら運動を前進させていこう」と運動の前進を呼びかけました。
 その後の審議では、中執、代議員、オブザーバー計28名が発言しました。発言は、企業収益、「合理化・効率化」、労働生産性の追求が主眼におかれる各社政策の問題点や矛盾、コミュニケーションが不足し期中退職者が増加する実情など、職場の歪みや矛盾、被害が報告されるとともに、納得のもてる到達点を築いた2024年春闘、平和のとりくみや「集まり語り合う」場の大切さと全損保が持つ良さと役割の重要性が語られ、知恵を出し合いながらすすめた運動の前進面を確認し合い、あらためて企業や職場の違いをこえて「集まり、話し合い、励まし合える」全損保の大切さが確信となりました。
 討論のまとめを荒木常任中執が行った後、2025年度運動方針以下すべての議案を圧倒的多数の賛成で確立し、「秋のたたかいを意気高くすすめる決議」、大会スローガンの採択、新年度役員を選出し、新たな年度の運動をスタートしました。



2025年度 全損保役員

中央執行委員長 浦上 義人 全損保本部
中央執行副委員長 佐藤 洋一 損保ジャパン
中央執行副委員長 禹  泳栽 Chubb Japan
書記長 及川  肇 日動外勤
副書記長 川崎 晃平 楽天損保

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