金融労連ではこれからが春闘の本番となります。経営側は「マイナス金利の影響で収益が厳しい」「低金利競争の激化で、本業で収益があらない」と賃上げを抑え込もうとしていますが、2年連続で預金保険料が引き下げられます。その負担軽減分を処遇改善に向けさせるなどにより要求実現を目指しています。労働契約法の改正で有期雇用労働者の無期雇用への転換が権利となりました。北洋銀行労組ではこの転換制度を実効あるものにするために、道労連の学習会に参加し、団交で繰り返し要求し、銀行事務センターの最寄り駅でビラ配布をするなど取り組み、銀行から3年以上継続して働いてきた有期労働者は自動的に無期雇用に転換するとの回答を勝ち取りました。
安倍首相は3%の賃上げが実現するよう期待すると発言していますが、実質賃金は平成27年より直近で下がっている状況です。4月から物価の上昇もあり今後も賃上げが物価上昇に追いつかない状況が続くことが予想されます。労働組合の役割は大きい。その中で、証券では日本取引所グループのJPXは5年連続でベアを実施していますが、証券会社は大手の野村は利益を上げていますがそれでも厳しい状況です。多くの証券会社は株の売買手数料では以前に比べて利益が上がらず、投資信託などで利益を出しています。金融庁は顧客本位の業務運営方針を求め、対話による経営改善を求めています。今日は金融庁に要請をおこないますが、職場実態の声を届け、ノルマ営業を改めさせ、働きやすい職場の実現を目指します。
信用保証協会は中小企業に公的な信用保証を提供することで資金繰りを支えています。不動産担保に依存しない融資の定着を図り、経営者の個人保証に頼らない保証の促進に取り組んでいます。この間、返済条件緩和に取り組むなどの結果、回収に懸念のある債権が増加しています。そうした中で、信用保証協会職員の繁忙感が強まり、賃金引き上げは国費投入を理由に厳しい状況にあります。国の適切な中小企業政策と中小業者の発展がなければ我々の労働条件の改善も難しいと考えています。本日は統一行動に参加し中小企業庁へ現場の声を伝えます。同じ金融に働くものとして金融共闘の皆さんとともに、労働条件の改善に取り組みます。
安倍政権による農業・農協つぶしが進められ、地域の農協の信用事業を上部団体の農林中金に譲渡・代理店化されようとしています。地域の農協は信用事業、共済事業、経済事業を合わせて総合事業として営んでいます。その中で信用事業を切り離されると農協はやっていけなくなります。農家組合員が自分たちで作り上げてきた農協が上からの規制で事業を継続できなくされようとしています。全農協労連は農家組合員のために農政を変えていこうということを春闘の大きな柱にして取り組んでいます。
損保では大手グループも中堅社も業績は好調ですが、不安定な経済動向やマイナス金利政策、IT化やAI導入による新ビジネスモデル導入など事業環境の先行き不透明なことを理由に、各経営の危機感は依然として強いものがあります。そのもとで、各社は収益力の強化を目指し「労働生産性」向上を追及し、その矛盾が職場や顧客に押し付けられています。外資系のニューインディア保険とゼネラリ保険で生じた雇用問題も、根底には収益性の追求があります。こうした損保の職場実態に対して、職場からは不安・不満・怒りの声が出され今春闘への期待が高まり、春闘での要求前進を目指します。