三菱UFJ銀行では、ベースアップ0.5%の従組要求に1%のベア回答で、従組要求の2倍の回答がありました。リストラによる従業員への業務負荷増大への対応とされていますが、今後賃金の在り方を含め構造改革を進めるとの見方も出ています。異常なマイナス金利で地域金融機関は過半数の54行で本業利益赤字、うち52行が連続2期以上赤字となっています。行政は店舗や人員整理、効率化を促し合併・経営統合は金融機関の「健全性」維持の一つの選択肢として、合併再編を促していますが、金融労連は金融行政や日銀に対し金融行政の転換を求めていきます。労働条件の改善を求め、特に若年層の離職が増えている中、将来展望の持てる職場実現を目指します。また、未組織未加盟の仲間への宣伝、パート、契約職員、管理職、関連会社労働者などの職場内の未組織労働者の組織化に取り組みます。
証券会社の業績は芳しくなく、株式の売買が減少し、投資信託の販売手数料も伸びず、多くが減益決算となっています。これが手数料目当ての回転売買を自粛した結果であるなら、顧客本位の営業に向かっていると見ることができます。しかし、先日、証券会社で回転売買が横行していることが報道されました。特に、外国株の売買で損失を出す高齢者が目立つという報道がされています。営業姿勢の改善はまだ道半ばというところで、証券会社が手数料優先の営業に戻ってきているのが実態です。そうした経営は短期的に利益を上げたとしても、営業担当者に無理な営業を強いてしまい、長期的なお客様の獲得につながりません。私たちは、顧客と従業員を大切にする経営への転換を求めています。
信用保証協会は全国で、保証残高22兆円、中小企業者の3分の1社以上が利用しています。昨年、法改正が行われ、従来の保証業務に加えて、新たに中小企業の経営支援業務が明記されました。支援業務として、平成30年度上期では延べ2万回の企業訪問と1万回の専門家派遣を実施しています。その結果、信用保証協会職員の労働の質と量が増加していることは事実です。今春闘において賃金引き上げを要求していますが、満足できる回答は得られていません。信用保証協会では、景気の良い時でも国費が投入されていることを理由に賃上げは抑制され、景気が悪い時には民間企業の状況を理由に賃下げを要求されるという、半官半民であることを逆手に取って労働条件が年々引き下げられている状況があります。国の適切な中小企業政策と中小企業者の発展なくして、信用保証協会職員の労働条件の改善は困難です。本日は同じ金融業界で働く皆さんと全国金融共闘統一行動のお力をお借りして、中小企業庁へ我々現場で働く者の声を届ける予定です。
安倍内閣の農業・農協改革で農協の広域合併が進められ、支店・支所の統廃合、組織再編がすすめられています。これに対する農家組合員の不安の声に、経営者は「農協の職員が出向きます」と説明していますが、それは労働者の負担をますます増加させることとなります。全農協労連は、雇用、身分を守り食料、農業、地域を守る運動を柱にしてたたかっています。安倍政権は 農協法8条の非営利規定をなくし農協も利益を上げろという政策です。農協は本来小規模農家の営農と生活を成り立たせる事業を進めてきました。家族農業の土台となる協同組合としての農協を破壊することを許さないたたかいを進めていきます。こうした農協攻撃のなかで未加盟労組を回ると、仕事がどうなるか雇用がどうなるか不安が寄せられます。未加盟の職場を回り組織拡大に取り組んでいます。
損保経営は、国内市場の縮小、IT化やビジネスモデルの変化、事業環境の先行き不透明などから根強い危機感を持っていて、各社とも収益力の強化をめざしてAIやRPA(ロボットによる業務自動化)などの活用で効率化を進めています。昨年相次いだ大規模自然災害対応で、速やかな保険金支払いが求められました。被害を受けた保険契約者には大切なことですが、損保会社はこれを競争の道具にしています。各職場から被災地に応援を派遣していますが、人選、業務内容、指揮命令に混乱があり、従業員を疲弊させています。自然災害への対応にとどまらず、損保経営の施策のゆがみが職場に押し付けられ、産業の社会的役割が喪失し、働く者の誇りと働き甲斐が奪われています。こうした職場の状況に、処遇・労働条件の改善を求め、要求を前進させてほしいという期待が高まっています。今年の春闘では、職場の声や思いに根差して賃金水準の引き上げを目指し、ほぼ全支部でベースアップと臨給の積み増しを要求し、たたかっています。