金融庁で要請する金融共闘代表団
4月19日、全国金融共闘は2019年全国金融共闘統一行動に取り組みました。統一行動は午前8時30分から40名が参加して財務省前での早朝宣伝(金融共闘統一ビラ)、10時20分からは意思統一集会、12時15分からは財務省前で昼休み行動(財務・金融共同行動実行委員会との共催)、午後2時からは金融庁への要請をメイン行動に、金融単産による早朝宣伝、行政や業界団体への要請行動など終日取り組みました。
10時20分から開催された意思統一集会は39名が参加して、東京金融共闘の中島事務局長(金融労連関東地協)の司会で進められ、冒頭全国金融共闘の浦上議長(全損保)が主催者あいさつを行いました。
浦上議長は、旧武生信金争議について、解雇された二人の職場復帰は実現できなかったが、不当な解雇を許さずに多くのなかまが支援して金庫や金融行政の責任を社会的に明らかにしたと述べ、ともにたたかったことへの感謝を表明。損保でも、昨年、世界第3位のゼネラリ保険会社の日本撤退に伴う身勝手な解雇を許さず、金融のなかまの支援も受けてたたかい最終的に当事者全員の納得できる解決を実現できたと述べ「身勝手な経営によって、金融に働く仲間の雇用が蔑ろにされることを見過ごすことはできない」とし「争議をたたかう労働者の納得できる解決を勝ち取るまで闘うことを改めて確認したい」と訴えました。
また、金融をめぐる情勢について触れて、日本の金融行政が各金融機関に対し成長産業として経済をリードすることを求め、「消費者利便」を強調しつつ、海外への進出やグループ再編を後押しする規制緩和を進めている姿勢を批判。そのもとで従業員は将来展望が持てずに働き甲斐を喪失し、職場を去る労働者が後を絶たないとし「金融の自由化は多方面にわたるゆがみをもたらし、働く者の労働条件をおびやかしてる」と指摘しました。そして、今春闘で賃金水準引き上げの闘いを「職場からの要求に基づいて展開し、安定した生活と安心して働くことのできる職場を取り戻そう」と呼びかけました。
続いて、金融共闘に参加する各単産(金融労連、全証労協、全信保労連、全農協労連、全損保)の代表から、各産業の状況と職場実態、春闘、争議などについて報告と支援要請が行われ、参加者全体で認識を共有し合いました。 (単産からの報告)
集会のまとめと行動提起を全国金融共闘の金子事務局長(全証労協)が行い、「金融共闘に参加する仲間が団結を強め、何としても賃金を引き上げるため春闘をたたかっていこう」と金融共闘への結集を訴え、集会を終了しました。
昼には35年目となる「財務・金融共同行動」との共催で財務省前抗議行動を約200名の参加で行いました。財務・金融共同行動実行委員会を代表して、国公労連の岡部委員長があいさつをおこなった後、主催者あいさつに立った全国金融共闘の浦上議長は、金融行政は金融の本来の役割を軽視し、さらなる競争力強化のために規制緩和をおし進めようとしていると批判。金融自由化以降の合理化によって職場の荒廃と働く者の将来不安が高まっている状況を説明し、これまでの金融「自由化」・規制緩和路線をあらため、社会的役割を発揮できる産業政策への転換を力強く訴え、今後も官民一体でたたかいをすすめ、国民が幸せになるための金融を実現するために奮闘する決意を述べました。
(浦上議長のあいさつ)
午後2時からは金融共闘加盟単産代表21名の参加で金融庁要請をおこないました。代表団は、要請書に沿って、「収益力の強化」を基軸におく金融機関経営の政策の歪みを明らかにし、「マイナス金利政策」が金融機関の収益基盤を損なっている状況、ノルマ的販売が「顧客本位」の行政方針との間で乖離があることなどについて、金融庁の見解を求めました。金融庁側は、昨年9月に公表した行政方針を説明し「経営者のみならず現場担当者とも対話を重視して検査を実施しており、短期的な視点で収益を追う施策は改善してきている」と考え方を示しました。またマイナス金利政策に関しては、「金融機関が超低金利で厳しい環境に置かれていることは認識しているが、マイナス金利だけでなく、多様な環境変化によるものであると考えている」と述べるに止まっています。
最後に、「金融政策を進めるにあたっては、金融に働く者の声に耳を傾けることがもっとも重要であり、職場の実態を十分認識した上で、政策を検討するよう要請する」と、金融に働く者の意見を政策に反映することを強く求めました。 (全国金融共闘の金融庁への要請書)