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○第43回総会開く【東京金融共闘】

東京金融共闘第43回総会

東京金融共闘第43回総会

金融のなかまが孤立することのない交流の場を

 12月4日、東京金融共闘は東京千代田区で第43回総会を開催。コロナ禍の下でのそれぞれの金融業態の状況と加盟組合の活動を交流し、次年度役員を選出しました。

 総会は源波幹事(中央労金労組)の司会で進められ、冒頭、東京金融共闘井出議長(全損保)が開会のあいさつを行い、全国金融共闘の浦上議長(全損保)から来賓のあいさつを受けました。
 浦上議長はまず、11月27日の金融庁要請について以下のように報告。
 金融自由化の下で、過当競争が激化し、日銀のマイナス金利でとりわけ地域金融機関が厳しい状況に置かれ、収益第一の経営がお客さんや従業員に被害をもたらしている。金融政策を転換し、金融各業態のすみわけを明確にし、社会的責任を果たせる金融とするように要請した。これに対して、金融庁は、金融機関が顧客本位の金融サービスを提供し、地域経済の発展、従業員の賃金向上を図り金融機関自身も収益を確保することが望ましいと回答。こうした金融庁の対応について、浦上議長は「金融庁も金融機関の収益確保を求めている」と指摘。金融機関は「顧客第一」と言いながら、収益拡大を優先し「お客さんのニーズとはかけ離れている」と批判しました。(12月24日up記事金融共闘が金融庁に要請参照)
 また浦上議長は、新型ウイルス感染症の拡大防止で在宅勤務などが進んでいるが、光熱費などが自己負担となり家族への負担もあるなど、環境整備が整っていないことから労働者に負荷がかかっていると指摘。出社する人にも業務負荷が増え、何よりも人間関係が疎遠になるのが大きな問題だと分析。さらに経営側が労働生産性を高めるためにこうした働き方を推進してくることが予想されるとして、その環境を会社が責任をもって整備すべきで、自己責任で補えということは全く認められないと訴えました。


コロナ禍の下 容易でなくても労働条件の維持向上めざす

 引き続き議事に入り、井出議長が「私たちを取り巻く情勢」について報告。井出議長は、テレワーク推進など大きな変化が予想されるが、悪くなることがないように労働組合の役割、金融機関としての役割をふまえていくべきと提起しました。
 中島事務局長(金融労連関東地協)が「2020年度活動報告」を行い、「2021年度の取り組みと課題」について、井出議長が「東京金融共闘は金融に働く仲間の生活、雇用、職場を守り金融産業の健全で民主的な発展を目指す。集まることが制限される状況になっているが、金融に働く仲間が孤立することなく思い悩みを共有できる場所にしていきたい」と提案しました。

 報告、提案の後、加盟組合から以下のように活動報告が行われました。

金融労連関東地協
例年3月に取り組んでいる春闘要求への回答を求める行動について20春闘では見送った。4月の業界要請行動も緊急事態宣言が出たために、協会に対する要請は文書提出とした。地協の幹事会も4月から9月まで開催できず幹事同士で連絡を取り合い情報共有することが課題となった。

全証労協
全証労協も会議はリモートで行い、十分な活動はできていない。証券業界は4月から9月期で最終損益が改善し、株価はバブル崩壊以降の最高値となった。外国の株も上昇し、個人投資家の投資意欲も高まり好循環になっている。年末一時金への期待は大きく、21春闘、夏の一時金も期待が強い。


全職場に電話でヒアリング

中央労金労組
新型ウイルス感染症への対応で、組合員の健康と命を守る観点から労働条件の整備に取り組んできた。労組役員が150弱の職場に毎週電話でヒアリングを行い、職場の実態を経営にぶつけている。この取り組みで労働組合と組合員の距離が大きく縮まったと感じている。職場と労働組合の距離感が一番重要だと思い、引き続き取り組んでいく。

全損保
感染拡大防止で在宅勤務の推奨、対面業務の自粛など働き方が一気に変化している。今後経営は労働生産性を高めるとして、こうした働き方を積極的に進めていくことが危惧される。労働組合は「労働生産性の観点」ではなく、働きやすい環境整備を求め職場の実態、不満、不安を把握して要求につなげていく取り組みを進めたい。

東京信用保証協会職員労組
新型コロナウイルス感染症への対応で、中小業者への資金繰り支援策が相次いで実施された。殺到する保証申し込みに対して、感染のリスクをかかえながら、保証部門を中心に長時間の残業や休日出勤で応じ、全職員が総力を挙げて公的機関としての役割を果たしている。このような中で団結して労働条件の維持向上を目指して活動していく。


あおぞら銀行から組合加入

金融ユニオン
東京金融取引所では在宅勤務で賃金カットをさせない取り組みをした。東京金融共闘の会議に参加して、コロナ禍でもアンケートなど活動されていることにとても励まされている。あおぞら銀行から新たに組合加入があった。加入したIさんは法令順守を求める発言をしたところ人事部から呼び出されて、その問題とは関係のないIさんの過去の行為を取り上げて懲戒の警告をされた。指摘された行為にやましさはないが、理非を明らかにし、権利を守るため金融ユニオンに加入した。ユニオン加入後さらに会社は懲戒処分を強行した。懲戒処分の撤回を求めて団交を行っている。

 活動報告の後、井出議長からまとめの発言があり「東京金融共闘は現在争議をかかえていないが、あおぞら銀行の問題では今後要請があれば支援を検討したい」と訴えました。


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