全損保第83回定期全国大会
3月17日、全損保は第83回定期全国大会を東京(エデュカス東京)において開催しました。
大会では、来賓として国民春闘共闘の小畑代表幹事、損保料率機構労組の山田委員長、大同労組の宇久委員長からはリモートで挨拶を受け、金融共闘からのメッセージが披露されました。
小畑代表幹事(全労連議長)は、459兆円に膨れ上がった大企業の内部留保を、いまこそ下請け中小企業支援や、労働者の賃上げに使うべきと訴え、小学校の35人学級の政府予算案の実現、国立感染症研究所の職員、保健師の増員、休業支援金を大企業で働く非正規労働者にも適用させたなど、運動の成果を強調。要求を掲げてとりくむことで多くのことを実現できるとし、「『‘コロナ’に負けず、組合員すべての力を結集し職場からともにたたかおう』と呼びかけている全損保の皆さんとともにたたかいます」と決意を表明。続いて全国金融共闘はメッセージで、菅政権が地域金融機関の再編成を加速させつつあるとし、本来の社会的役割を果たす地域金融機関の確立を訴えました。
損保料率機構労組および大同労組からのあいさつ後、及川書記長から一般経過報告を受け、浦上委員長が議案第1号「2021年春闘方針」を提案しました。
提案では、新型コロナウイルス感染症の拡大がもたらした事態について、第二次世界大戦後で最悪の景気後退となっていると説明。わが国でも、景気がさらに悪化する見通しとなっており、労働者の雇用が脅かされているとしました。続出する「政治とカネ」の問題に説明責任を果たさない菅政権を批判し、平和と民主主義を破壊する動きを指摘しました。一方で、政治課題で多くの国民が『NO』の意思を示し、安心して暮らせる国にするためのせめぎあいが続いていることに確信をもって、私たちの明日を手にしていこうと訴えました。
損保情勢では、保険収支の悪化に加え、世界的な経済停滞の懸念など、経営の危機感は増しているとし、損保各社の政策すべてが「収益力の強化」をめざし「合理化・効率化」、労働生産性を追求する動きが強まっていると指摘しました。
浦上委員長は、さらに職場で、在宅勤務などテレワークが推進されていることを、「在宅勤務に関する実態調査」結果から説明し、「環境整備は後回しに、今後もこうした働き方をすすめようとしている」とし、会社責任で働きやすい環境整備を求めていくことの必要性を強調しました。
一方で、賃金水準の引上げに対する期待と要求が例年以上に高まっているとアンケート結果を紹介。「人が集まる」ことへの制約を想定したうえで、「全損保には、常に組合員の声と思いを大切にして、困難な事態を乗り越えてきた70年のたたかいがある。その経験と教訓、昨春闘の成果や到達点を力に、2021年春闘もすべての支部・独立分会が『賃金水準の引き上げ』を柱とした要求に固執し、この労働組合に組合員が結集して自らの手で展望をきりひらく春闘にしていこう」と訴えました。(全損保ホームページ全損保第83回定期全国大会開催参照)
この他、代議員発言では労働組合として最も大切にしなければならないのは「人が集まって語り合うこと」であり、企業をこえた組合員のつながりを大切にすることの必要性が語られました。審議の最後に執行部を代表して及川書記長がまとめをおこない、2021年春闘方針が全員一致で確立されました。